高知県議会 > 2004-03-04 >
03月04日-04号

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  1. 高知県議会 2004-03-04
    03月04日-04号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成16年  2月 定例会(第277回)          平成16年3月4日(木曜日) 開議第4日---------------------------------------出席議員       1番  武石利彦君       2番  中西 哲君       3番  西岡仁司君       4番  三石文隆君       5番  森田英二君       6番  山本広明君       7番  森 雅宣君       8番  東川正弘君       9番  溝渕健夫君       10番  元木益樹君       11番  依光隆夫君       12番  土森正典君       13番  西森潮三君       14番  結城健輔君       15番  西岡寅八郎君       16番  浜田英宏君       17番  樋口秀洋君       18番  植田壮一郎君       19番  式地寛肇君       20番  高野光二郎君       21番  黒岩直良君       22番  佐竹紀夫君       23番  中内桂郎君       24番  二神正三君       25番  朝比奈利広君       26番  岡崎俊一君       27番  西森雅和君       28番  黒岩正好君       29番  池脇純一君       30番  坂本茂雄君       31番  浜田嘉彦君       32番  田村輝雄君       33番  江渕征香君       35番  森 祥一君       36番  吉良富彦君       37番  谷本敏明君       38番  米田 稔君       39番  牧 義信君       40番  塚地佐智君       41番  田頭文吾郎君欠席議員       なし---------------------------------------説明のため出席した者  知事       橋本大二郎君  副知事      吉良史子君  出納長      島田一夫君  総務部長     池本武広君  理事           宮崎利博君  (危機管理担当)  企画振興部長   十河 清君  理事           山本俊二郎君  (政策推進担当)  理事(情報化           石川雄章君  戦略推進担当)  健康福祉部長   吉岡芳子君  文化環境部長   尾崎祐正君  商工労働部長   起塚昌明君  理事           上林 匡君  (産業技術担当)  農林水産部長   星沢昭雄君  理事           山崎隆章君  (競馬担当)  土木部長     見波 潔君  森林局長     村手 聡君  海洋局長     松村勝喜君  港湾空港局長   加藤久晶君  企業局長           山中哲雄君  代理同局次長  病院局長     猪野和孝君  教育委員長    宮地彌典君  教育長      大崎博澄君  人事委員長    上谷定生君  人事委員会           西山靖夫君  事務局長  公安委員長           竹村維早夫君  職務代理者  警察本部長    黒木慶英君  代表監査委員   奴田原 訂君  監査委員           中岡宏昭君  事務局長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長     恒石好信君  事務局次長    井上 健君  議事課長     鍵山和司君  政務調査課長   竹内豊明君  議事課長補佐   野瀬孝志君  主幹       竹崎由美君  主幹       湯川さほり君  主査       中城知穂君---------------------------------------議事日程(第4号)   平成16年3月4日午前10時開議第1 第1号 平成16年度高知県一般会計予算 第2号 平成16年度高知県給与等集中管理特別会計予算 第3号 平成16年度高知県用品等調達特別会計予算 第4号 平成16年度高知県土地取得事業特別会計予算 第5号 平成16年度高知県災害救助基金特別会計予算 第6号 平成16年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計予算 第7号 平成16年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計予算 第8号 平成16年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計予算 第9号 平成16年度高知県農業改良資金助成事業特別会計予算 第10号 平成16年度高知県県営林事業特別会計予算 第11号 平成16年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計予算 第12号 平成16年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算 第13号 平成16年度高知県流域下水道事業特別会計予算 第14号 平成16年度高知県港湾整備事業特別会計予算 第15号 平成16年度高知県高等学校等奨学金特別会計予算 第16号 平成16年度高知県電気事業会計予算 第17号 平成16年度高知県工業用水道事業会計予算 第18号 平成16年度高知県病院事業会計予算 第19号 平成15年度高知県一般会計補正予算 第20号 平成15年度高知県土地取得事業特別会計補正予算 第21号 平成15年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計補正予算 第22号 平成15年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算 第23号 平成15年度高知県県営林事業特別会計補正予算 第24号 平成15年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算 第25号 平成15年度高知県港湾整備事業特別会計補正予算 第26号 平成15年度高知県高等学校等奨学金特別会計補正予算 第27号 平成15年度高知県病院事業会計補正予算 第28号 高知県こども条例議案 第29号 高知県立塩見記念青少年プラザの設置及び管理に関する条例議案 第30号 地方自治法第203条に規定する者の報酬、期末手当、費用弁償等に関する条例及び知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 第31号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案 第32号 地方独立行政法人法等の施行に伴う関係条例の整備に関する条例議案 第33号 国立大学法人法等の施行に伴う関係条例の整備に関する条例議案 第34号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案 第35号 議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部を改正する条例議案 第36号 高知県税条例等の一部を改正する条例議案 第37号 高知県消防法関係手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第38号 地方自治法第8条第2項の規定による町としての要件に関する条例の一部を改正する条例議案 第39号 高知県衛生試験等手数料等徴収条例の一部を改正する条例議案 第40号 高知県立幡多高等看護学院の設置及び管理に関する条例及び高知県立総合看護専門学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第41号 結核診査協議会条例の一部を改正する条例議案 第42号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第43号 保健所使用料等徴収条例の一部を改正する条例議案 第44号 高知県地域農業改良普及センター設置条例の一部を改正する条例議案 第45号 高知県特別会計設置条例の一部を改正する条例議案 第46号 高知県建設業法関係手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第47号 高知県都市計画審議会条例の一部を改正する条例議案 第48号 高知県港湾施設管理条例の一部を改正する条例議案 第49号 高知県立海岸緑地公園の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第50号 企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例議案 第51号 公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例議案 第52号 高知県立学校授業料等徴収条例の一部を改正する条例議案 第53号 高知県高等学校定時制課程及び通信制課程修学奨励資金貸与条例及び高知県高等学校等奨学金の貸与に関する条例の一部を改正する条例議案 第54号 高知県スポーツ振興審議会条例の一部を改正する条例議案 第55号 高知県警察手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第56号 高知県警察の設置及び定員に関する条例の一部を改正する条例議案 第57号 高知県中小企業従業員住宅の貸付け等に関する条例を廃止する条例議案 第58号 高知県立定時制通信制教育センター設置条例を廃止する条例議案 第59号 高知県立障害者スポーツセンターの指定管理者の指定に関する議案 第60号 権利の放棄に関する議案 第61号 県有財産(高知テクノパーク)の処分に関する議案 第62号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 第63号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 第64号 県が行う土木その他の建設事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 第65号 包括外部監査契約の締結に関する議案 第66号 国分川河川激甚災害対策特別緊急事業に伴う土讃線土佐大津・土佐一宮間国分川橋りょう改良工事委託に関する協定の一部を変更する協定の締結に関する議案 第67号 唐浜地区経営体育成基盤整備用水トンネル工事請負契約の締結に関する議案 報第1号 高知県が当事者である訴えの提起の専決処分報告 議発第1号 高知県うみがめ保護条例議案第2 一般質問   (3人)---------------------------------------   午前10時2分開議 ○議長(溝渕健夫君) これより本日の会議を開きます。--------------------------------------- △諸般の報告 ○議長(溝渕健夫君) 御報告いたします。 公安委員長濱田松一君から、所用のため本日の会議を欠席し、公安委員竹村維早夫君を職務代理者として出席させたい旨の届け出がありました。--------------------------------------- △質疑並びに一般質問 ○議長(溝渕健夫君) これより日程に入ります。 日程第1、第1号「平成16年度高知県一般会計予算」から第67号「唐浜地区経営体育成基盤整備用水トンネル工事請負契約の締結に関する議案」まで、報第1号「高知県が当事者である訴えの提起の専決処分報告」及び議発第1号「高知県うみがめ保護条例議案」、以上69件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。 35番森祥一君。   (35番森祥一君登壇) ◆35番(森祥一君) おはようございます。市民の声(VOX POP)の一人として、市民、県民の目線に立った視点から質問をさせていただきます。 私が昨年の県議選で再選され、会派構成のことで悩んでいたとき、前春野町長で初当選された池上さんとの出会いがありました。彼は年齢的には少し私より上でしたが、クリーンな選挙、クリーンな政治を目指す姿勢や、弱者の立場に立ち何事にも是は是、非は非という立場で信念を持って突き進もうという、極めて大ざっぱで大胆で、それでいてしっかりと確信を持った政治活動をともにやっていこうと2人で誓い合って始めた会派が、私たち「市民の声」です。 初めて会ったときから、彼は病魔と闘い、その不安を抱えながらも、それを表にあらわさず力強い精神力で闘い続け、病気に負けては選んでくれた県民の皆さんに申しわけないと必死で頑張っておられた池上さんでございました。亡くなる3時間ほど前にお見舞いしたとき、のどが乾燥していて苦しそうに、休み休みゆっくりとした言葉でしたが、私に伝えてくれました。「自分は橋本知事とは立場の違うところにあるが、4選したことについてはおめでとう。そして、いつでも県民の立場に立って県政を引っ張っていってもらいたいと伝えてほしい」ということでございました。そして、自分はますます進んでいく高齢者問題と就学前の医療費問題をライフワークにしたいとおっしゃっていました。その言葉をお聞きしたとき、私は物すごい衝撃を受けました。非暴力で公民権運動に力を尽くし39歳で暗殺されたマーティン・ルーサー・キング牧師を、なぜか私は思い出しました。政治家の信念を痛切に教えていただきました。池上さんと私はわずか8カ月でしたが、席を同じくさせていただいたことをありがたく、また、池上さん、あなたの信念を受け継いでいくことをこれから私が政治の道を生きていく覚悟にさせていただいています。安らかにお休みください。ありがとう。 それでは、質問に入らさせていただきます。昨日の江渕議員の、橋本知事にかかわる政治的、道義的責任の問題、これは私も江渕議員と同じ思いでおります。でも、そのことをもう一度ここで追及しても同じ返事が返ってくるという思いがしますので、あえてお聞きはしません。政治的、道義的責任の問題は、まただんだんと100条委員会--坂本ダム等に関する調査特別委員会で真相究明がされていく中で、また改めて知事の思い、御決意をお伺いしたいと思います。 平成3年に知事に就任されてから、きょうまでの県政運営について考えてみますとき、まず頭に浮かぶことは、随分県庁が県民に近づいたのではということです。職員の意識改革や情報公開への取り組み、土佐の教育改革、古きあしき慣習の撤廃、働きかけの公開等々で、すべてが成就とはいかないまでも、私は橋本知事だからできたと評価できると思います。ただし、あしき慣習を断ち切るきっかけとなったのは、先ほどの平成3年の知事選の政治資金問題に関する笠さんの証言によれば、裏金と言われる決算書類を知事に見せ、了解を得て焼却したとのことですが、知事の答弁を信じるならば不関知、不関与であった知事が、その書類を見たとき笠氏の持つ古い体質を察知し、笠さんとの決別を決意し、その後、誠橋会も解散させたと推測されますが、そのことが大きなきっかけとなり、入札制度の改正などさまざまなあしき慣行を排斥しようという一層強い姿勢につながったのではないかと思うが、どうでしょうか。 現状認識、分析、対応策、そして施策実施といった基本線に立ち返る観点から質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。まず、有害鳥獣対策について企画振興部長に伺います。県土全体に広がっている鳥獣被害に関しては非常に深刻で、農業者、林業者だけにとどまらず一般の民家や家庭菜園をしている人々にまで多大な被害を及ぼし、国道や県道にまでわなの表示が目立つほどひどいものがあり、県民の悲鳴が聞こえてくる状態でございます。シカ、イノシシ、猿、たくさんの被害を聞いておりますが、きょうはイノシシに関して質問をいたします。 農家や果樹園を営んでいる人、また猟友会の人たちに伺うと、イノシシは豚とかけ合わさってイノブタ化して、その結果、異常に繁殖するのではないかという話をよくお聞きするのですが、実はそういった事実はなく、純血イノシシでも春には五、六頭生まれ、その冬を越冬できずに自然淘汰されて、翌春まで生き残れるのはわずか一、二頭だということをお聞きしました。それが、近年の暖冬の影響で越冬できる数がふえたのが、数が多くなった原因だそうです。 香川県では、有害鳥獣の中でも特にイノシシの個体数の増加原因を究明するためDNA鑑定をしたと聞きますが、本県でも独自にサンプル調査をする予定はあるのですか。 また、本県は独自に特定鳥獣-イノシシ保護管理計画を平成14年10月から5年計画で実施し、毎年9,000頭、延べ4万5,000頭の捕獲目標を掲げているが、その実績についてお聞きいたします。私は、ネズミ算式にふえる動物に対しては、初年度ほど数の多い方が、効果がよりあらわれると思うが、なぜ捕獲数を均等にしたのか、お尋ねいたします。 また、県鳥獣被害緊急対策事業費補助金交付要綱によると、第3条第2項で、有害鳥獣被害防止体制整備事業と有害鳥獣捕獲対策事業の補助金の合計額は、1市町村当たり50万円を限度とする、ただし知事が必要と認めた場合は、50万円を超える部分の4分の1を加算することができるとありますが、県単独の補助金をもっと効果的に活用し、個体数の減少に向けて積極的に対応すべきだと考えるが、その方策をお伺いいたします。 鳥獣には県境がなく、四国全体として県境を越えた取り組みが効果的だと、平成13年11月に四国地域野生鳥獣対策連絡協議会が立ち上がっていますが、4県の連携した取り組みの現状と今後の方向についてお伺いいたします。 続きまして、児童虐待、いじめ、不登校などへの対応について教育長にお伺いいたします。大阪の岸和田事件に見られるように、児童虐待が大きな社会問題となっている中、子供が健やかに育つ環境整備を図るため今議会に高知県こども条例が提案をされているが、乳児から18歳までの人づくりには健康福祉部、教育委員会といった垣根にとらわれることなく全庁的な取り組みが必要と考えます。 条例を所管する立場から条例提案への認識を教育長に、また児童福祉を所管する立場から条例案への認識を健康福祉部長にお伺いします。 子供たちを取り巻く環境は、家庭、地域などますますひどい状態になっているように思います。また、児童相談所の仕事内容も、それに伴い複雑多岐になっております。そうした中で、児童相談所と他の教育機関との連携や機能強化が望まれる状態にあるが、現在、中央児童相談所には専門の医師が配置され、中央と幡多のかけ持ちをしながら不登校の児童生徒を持つ保護者や、さまざまな相談を受け、効果を上げているとお聞きしています。 そこで、その実績と、今後は幡多児童相談所にも精神科医などの常勤医師を配置する考えはないのか、健康福祉部長にお伺いいたします。 また、来年度から両児童相談所に教員の配置が新たにされるようになり、大変ありがたいことだと思います。ただ、せっかく配置するのであれば、臨床心理士やカウンセリング等、専門的な資格を取得した教員などを配置することが、より効果を上げることになると思うが、お考えをお聞きいたします。 また、こうした資格を持った教職員の把握がなされているのか、今後既存の国内研修制度などを積極的に活用し、こうした資格を取得させることが、教職員の能力開発や意欲の向上につながり、ひいては公教育や県民の期待にこたえることになると考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。 学校現場において、子供たちや教師、保護者などの不安や悩みに関して極めて細やかな対応を行うためのスクールカウンセラーによる支援や心の教室相談員などの取り組みについてお伺いいたします。また、こうした取り組みのほか、適応指導教室や心の居場所づくりなどさまざまな取り組みをなされていますが、窓口を一本化することなどで、より効果を高める方策を考えてみてはどうでしょうか。 教育問題について、引き続き教育長にお伺いいたします。今議会に提案されているこども条例の中で、有害な環境から子供を守るということがうたわれていますが、子供たちの健やかな成長を支援する目的で設立された心の教育センターの利活用の状況についてお伺いいたします。平成15年度から心の教育センターで取り組んでいる心の冒険教育推進事業の取り組み状況とその効果についてあわせてお伺いします。 平成16年度に、不登校の子供たちを対象に豊かな自然の中でさまざまな体験活動を行う事業を計画していますが、こうした取り組みは対象者を限定することなく積極的に取り組むべきではないかと考えますが、教育長の御所見をお願いいたします。 続きまして、新規高卒者の雇用対策についてお伺いいたします。平成15年度から新規高卒者の雇用対策としてスタートしたジョブ・サポート・ティーチャーと就職アドバイザーの採用に至るまでの経緯をお伺いいたします。 あわせて、ジョブ・サポート・ティーチャーや就職アドバイザーの平成15年度の活動実績と平成16年度の取り組み予定についてお伺いいたします。 生徒や保護者の県内就職への希望も強いと聞いておりますが、県内での新規高卒者の雇用環境には大変厳しいものがあり、今後は県外での積極的な求人開拓が重要になると考えますが、御見解をお聞きいたします。 海砂利採取について土木部長にお伺いいたします。現状認識、分析、対応策、そして施策実施といった基本線に立ち返るといった観点から質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。   「近年の私たちは、海を克服すべき対象としか見てこなかったのではないか」   瀬戸大橋、明石海峡大橋に続いて瀬戸内しまなみ海道が開通し、本四3橋時代が本番を迎えた時、私たちにふと、こんな疑問が浮かんだ。   四国という島の北辺に住む私たちは、瀬戸内海とかかわらずには生きられなかった。古代から眼前に横たわるこの海は、情報をもたらし、食膳をにぎわし、この地に生きる幸せを運んでくれる豊穣の海であった。それが、激変しているように感じられたのである。   海が変わったのではない。人が変わったのだ。私たちは、いつから海を敵視し、共に生きようという視点を失ったのか。そのことは何を意味しているのか。それらを解明する中で、21世紀の望ましい海と人の在り方を探りたい。 これは、四国新聞社発行の「連鎖の崩壊」という本の序文の一部であります。環境の時代と言われる21世紀。地球上の一市民として、豊かな地球を未来永劫続くであろう人々に受け継いでいただくため、私たちが今なすべきことは何か、できることは何か。小さな日本の四国の高知県民として、私は東洋町甲浦から宿毛までの約700キロメートルに及ぶ我が高知県の海岸線を見回しますとき、砂浜の減少や海岸線の退化を実感いたします。黒潮の豊かな恵みや豊穣の海の恵みを、また美しい海岸線を守る観点から海砂利採取全面禁止を提案を含め訴え、関連の質問をさせていただきます。 砂や砂利は、戦後復興から昭和30年代、40年代、高度経済成長を支える建設資材の骨材として重要な役割を果たしていました。そうした流れの中で、現代はコンクリート文明だと言われるほどコンクリートが随所に使われ、私たちの生活を支えています。平成13年度骨材資源調査報告書によれば、建設省河川局--現国土交通省と通商産業省生活産業局--現経済産業省が取りまとめた砂利採取業務集計表に基づく都道府県の砂利採取量の推移等の資料を見てみますと、天然砂は北海道から九州、沖縄まで地域の地質や形状、各地域地域において、時の経済状況を勘案しながら推移していることが読み取れます。 まず、河川砂利は、必要に応じ川から採取されていました。しかし、戦後の経済発展、コンクリート化の進展とともに採取量が急増。一方、河川の上・中流部にはたくさんのダムがつくられ、上流から下流への砂利の流れもせきとめられ、河川の中・下流での砂利の涵養が行われなくなった。この結果、1965年ごろ、橋や鉄橋の橋脚が洗掘されて傾くなどの被害が出始め、このため河川敷からの砂利採取が厳しく制限されるようになり、現在では洪水の防止、ダムの貯水能力の回復などの目的で採取されることが多い。結果、河川砂利の採取量は、今後とも漸減していくと考えられる。 また、陸砂利は、川砂利にかわって1960年代後半から盛んに採取されるようになったが、採掘は重機を使わなくてはならないことや、農地法の規制なども相まって、資源が豊富で経済的にも有利な場所から採掘が進んできたことなどにより、今後は資源に乏しく経済的にも不利な場所が開発対象とならざるを得ず、次第に採取量は減少していくと思われます。 山砂利も川砂利のかわりに1960年代より採掘されるようになったが、地層の関係で開発適地が少なく、よって本県は採掘はしていません。北部から中央日本の堆積岩類の中に資源量としては大きなものがあると思われますが、経済的な条件や資源の品質の良化が期待できず、現状では大幅な増産は期待できない。 海砂利も、川砂利の不足を補うために、山砂利や陸砂利とともに1960年代に多量に採掘されるようになった。川砂利、陸砂利、山砂利に乏しい西日本では、海砂利を採取し、これを利用してきた。しかし、近年、瀬戸内地方の各県では、海砂利の採取が環境を破壊してきているとして採掘が禁止される傾向にあり、既に広島県では全面禁止となりました。このような現状を踏まえ、今後海砂利の採取量は減少していくことが予想されます。 天然砂は、以上のように今後ますます全国的に不足傾向にあり、不足を補うものの一つとして砕砂がありますが、海砂の代替資源と注目される西日本においても、砕砂の生産量は天然砂の採取量の15%前後に過ぎず、今後増産が必要であろうとし、まとめとして「現在のコンクリート社会を支える骨材をどう確保していくか。砂の不足が懸念される今こそ、自然条件を正確に見直し、合理的な将来計画を立てる必要に迫られていると言えよう」、そう結んでいます。 2004年現在、海砂利の採取認可量方針によると、千葉県、三重県、大阪府、和歌山県、兵庫県、広島県、岡山県、徳島県が採取禁止、香川県も平成17年度から採取禁止の決定がなされています。こういった流れの中で、もともと必要に応じてとっていた砂利が、経済成長とともに川砂の枯渇がささやかれ始め海砂にシフトされていき、国としても海砂の供給量を昭和42年度から通商産業省窯業建材課が統計をとり始めていますが、県内での海砂利採取の始まり年度はいつからか。また、あわせて統計の始まり年度はいつからか、お答え願います。 また、過去における超過採取の問題、1回当たりの採取量や操業日数のごまかし等はさておき、県内における現存の土場の賦存量と、廃止した土場も含めたこれまでの県内での総産出量は幾らか。 また、現在、海砂利採取を行っている協同組合、協業組合の数と隻数及びトン数についてお伺いします。 また、海砂利採取業者に対し県は採取許可要件に漁協の同意を盛り込んだために、県への採取料のほか、事実上の許可権者としておのおのの漁協が補償交渉に力を振るうという構図になっています。記録に残っている海砂補償の第1号は、昭和38年に大阪市が港湾埋め立て用に香川県豊島沖で大量に採取した際、地元漁協に約2億2,000万円、その他の漁協には県漁連一括で7,000万円を支払ったと記されています。 漁協との補償交渉は、個々の漁協との秘密交渉なので、はかり知れませんが、本県における海砂利採取に係る採取料は幾らなのか。1立方メートル当たりの単価とその使途についてお聞きいたします。 海砂の生成源や供給を研究している工業技術院地質調査所の有田総括研究調査官は、「学術的には近年、海底浸食供給説が定着している。海砂は石炭や石油と同じ化石資源であり、再生産も補給もほとんどない」と言っています。河川からの流入は全体のほんの一部に過ぎない上、その河川の上流に、先ほども申し述べましたようにダムをつくったために、少ない量がより少なくなっていることも事実であります。 また、一昨日、中内議員の質問にもあったように、我がふるさとの大岐の浜の異常な減退を見ますときに、この美しい砂浜を次の世代に残すことが私どもの使命だと実感いたしました。三十数年前、高校生だった私たちは、その浜でソフトボールをして遊ぶことができたのです。約1,500メートルの長さは変わりませんが、幅は見る影もございません。大岐の浜については、地元の区長や漁協、大敷組合の関係者の長年の願いがようやくかない、平成15年3月から海浜測量を始めていただき、平成16年度からは深浅調査も決定し、遅きに失した感はあるものの、地元の皆様とともにありがたくお礼を申し上げます。ただ、私は、大岐の浜だけでなく県内全体の砂浜や海岸線を見つめ直しますとき、深刻な海砂利採取問題に直面しました。 平成7年2月定例会から15年6月定例会までの本会議及び予算委員会、総務委員会の議事録を読ませていただきました。そこには、数多くの先輩議員が、「海岸浸食を防げ」、「砂浜減退による災害から守るため海岸堤防、消波工、離岸堤などの整備」、また「土場の沖出し」、「自然環境を守れ」、「この砂浜が減退しているから、その前の土場の採取をやめろ」、さまざまな意見が出る中、平成2年には仁淀川河口沖の採取禁止が決まり、その後も護岸工事や海浜公園の造成、構造改善事業など、さまざまな対応策を講じられています。ある議員は、砂利をとり、浜がやせ、膨大な予算をかけてテトラを打ち込む、愚かなイタチごっこだとやゆしています。まさに、その場しのぎの対処療法でしかないと確信します。漁業に与える影響もまた、海砂利採取との因果関係が立証されていないとの説明がされるばかりであります。 海砂利採取が土佐湾における砂浜の減少の一つの大きな要因と考えられ、環境アセスメント調査を土佐湾全体で行うべきと考えます。面積が広大で経費がかかり過ぎて行えないのであれば、せめて海砂利採取の終わった土場がどのような状態になっているのか、許認可を行った者として地形調査などをする義務があると考えますが、どうでしょうか。 再生不能の化石資源としての海砂は、我らが豊穣の海の大切なクリーナーの役割も果たしています。ろ過機能はもとより、砂に住みつく微生物が汚濁の原因になる有機物を分解すると言われています。ただし、海のクリーナーであるためには、太陽光が届く深さという条件つきであります。光合成が行われない場所では、本来の浄化作用の機能は格段に落ちるそうであります。海砂利採取の方法は今、バケットからポンプにかわっています。土場をバキューム管で吸い込み、製品の砂は船倉に、それ以外の貝殻や小魚などはそのまま海へ吐き出すという方法であるが、そのことはまた、海の汚濁につながります。そのときに物すごい音を発します。 海中の音については、我が土佐清水の先輩である元土佐かつお船員組合長の西川恵与市さんによれば、彼が海軍時代、水中音波の伝搬速度の測定実験、これは潜水艦のスクリュー音をとらえるための実験だったそうですが、その実験では、音源から広がり走る音の速さは1秒間に1,500メートル。ちなみに陸上では357メートルで伝搬しますが、ということは10秒間に1万5,000メートル伝搬します。1万5,000メートル以降は、急激に音が低下するという報告であります。音がたった10秒続くだけで、直径3キロメートル範囲にいる魚やその魚道に与える影響は推して知るべしと考えます。 ただ、私は、一方的に海砂利採取全面禁止を訴えるものではありません。採石もまた、自然破壊という観点は同じことです。来年度予算を見ても普通建設事業費が1,069億円と、平成9年当時に比べ約半減という現実を見据え構造転換を考えることや、建設骨材に関しても今は東京大学では完全リサイクルコンクリートが開発研究されているとお聞きします。また、先月26日の四國新聞によると、「四国電力では、石炭火力発電所から出る石炭灰と豊島の産業廃棄物を溶融処理する過程で発生するスラグを有効利用し、コンクリート用の骨材としてスラグを利用する場合、石炭灰をまぜることでコンクリートの耐久性や強度の向上に効果があることを確認。大西社長は、「石炭灰とスラグを有効利用することで、資源循環型社会の形成に役立てたい」と話している」とありました。 我が高知県もIT関連を中心に研究開発が随分なされていますが、代替骨材の方面での調査研究についての今後の取り組みについて産業技術担当理事にお伺いします。 ちょうど今議会で議員提案のうみがめ保護条例が提出され、大賛成なのでありますが、ウミガメが卵を産みつける砂浜自体が高知県から消滅する危機にあると考えます。海砂対策連絡協議会会長としてさまざまな角度から情報を得ている副知事に、環境保全の視点から全面的な海砂利採取の禁止に向けてこの際取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。 以上で、私の第1問を終わらせてもらいます。   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 森議員の御質問にお答えをします。 私には、笠さんの証言と県政改革との関係についてお尋ねがありました。御質問にありました誠橋会のことなど、当時の笠さんを取り巻く状況を見ます中で、この県にあった古い体質を改めて感じたことは否定できませんが、御指摘にありました笠さんの証言そのものは私の記憶とは違いますので、そのことが県政改革に取り組むきっかけになったわけではありません。振り返ってみますと、私は13年前に多くの県民の皆様のお誘いを受けて高知に飛び込んできましたときから、県内をくまなく回ります中で、県民の皆様の中に県政を改革してほしいという強い思いがあることを感じ取っていました。ですから、そうした県民の皆様の思いを受けて、その後、知事としての仕事を進めていきます中で、あしき慣習や古いしがらみを断ち切るために努力をしてきましたし、職員の意識改革や情報公開を初め、お話にもありましたようなさまざまな県政改革に取り組んできました。 私からは以上です。   (企画振興部長十河清君登壇) ◎企画振興部長(十河清君) 有害鳥獣対策についてお尋ねがございました。 まず、イノシシのDNA鑑定を本県独自に調査する予定はあるのかとのお尋ねでございます。イノシシの生息地域は4県にまたがり、またその被害も四国各県で急激に増加していることから、県を越えたより広域的な調査が必要との考えのもとに、本年度から四国4県連携事業として四国全域を対象とした生息実態調査を行っています。具体的には、捕獲したイノシシに発信器をつけて放し、行動域や行動特性を観察するテレメトリー調査を行う。また、捕獲したイノシシのDNA分析を行い、国の機関などが実施している中国、近畿などの調査とあわせて、遺伝学的な面から遊泳力の強いイノシシが中四国間を渡っているかなど、生息域拡大の実態を解明するといったことに共同で取り組んでいます。 このうち、DNA鑑定については四国全域で200頭を、そのうち県内では被害の大きい7地域で50頭を対象に行うこととしており、現在委託先の財団法人自然環境研究センターで作業が進められています。調査結果は年度内に取りまとめられることになっていますので、そうした結果を踏まえ4県が連携して検討しつつ、イノシシの捕獲や防除方法など実効ある被害防止対策に努めていきたいと考えています。 次に、イノシシの捕獲実績と補助金の効果的な活用などについてお尋ねがありました。まず、捕獲実績につきましては、9,000頭の目標に対して、計画初年度の平成14年度は1万600頭の捕獲がありました。これは、平成13年度の捕獲数である8,500頭を大きく上回っており、特定鳥獣保護管理計画により2週間猟期を延長したことの効果があったものだと思います。また、捕獲目標を年9,000頭と定めましたのは、平成8年から平成12年の過去5年間の平均捕獲数に、過去5年間の最高の伸び率を掛けて算出した頭数9,000頭を、年間の捕獲目標といたしたものでございます。これを5年間続ければ被害が縮小するだろうという想定のもとに、高知県環境審議会の議を経て定めたものでございます。 次に、イノシシの捕獲に関しての県の取り組みでございますが、昨年度まで捕獲と防除対策とに分かれていた補助金を一本化し、あわせて鳥獣被害の増大に対応するため金額も増額いたしました。また、市町村にも補助事業の積極的な活用を働きかけました結果、平成14年度には捕獲対策に県の補助事業を活用していたのは29市町村でしたが、本年度には33の市町村で具体的な対策が行われることとなり、被害対策の事業費も、防除を含めて昨年度は市町村全体で4,800万円程度であったものが本年度は6,300万円が確保されるなど、対策の充実が図られています。また、本年度から始まったこの補助制度に対して、市町村や農業関連団体からもっと使い勝手のよいものにしてほしいという要望がありました。そのため来年度からは、捕獲対策については補助の限度額を廃止するとともに、防除対策についても必ずしも市町村負担を求めないなど、事業実施主体である市町村が取り組みやすい制度として被害対策を進めていくこととしています。 最後に、四国4県の連携した取り組みの現状と今後の方向についてお尋ねがありました。御指摘のとおり、県境を越えて生息しているイノシシなどの野生鳥獣の被害対策を実施する上で、4県が連携をとることは大切なことだと考えています。そのため、先ほども申し上げました四国4県連携施策としてイノシシの生息状況調査を実施しており、被害対策を共同で研究することとしています。また、平成13年11月には中国四国農政局の呼びかけにより四国地域野生鳥獣対策連絡協議会が発足し、国と4県が連携し、野生鳥獣の管理を広域的に行うための組織や担い手の育成に取り組んでいます。その一環として、平成15年2月には市町村や鳥獣についての研究機関、民間企業等が参画する四国地域鳥獣対策ネットワークが設立され、新しい被害防止技術に関する情報やノウハウの共有化、人材育成を促進する現地研修会などが開催されています。今後とも、4県の連携をより密にし、実効ある被害対策の充実に努力してまいります。 以上でございます。   (健康福祉部長吉岡芳子君登壇) ◎健康福祉部長(吉岡芳子君) 児童福祉を所管する立場から、こども条例案への認識についてのお尋ねがございました。 いじめや児童虐待など子供を取り巻く環境がますます厳しくなっている中、高知県に生まれた子供たちが幸せに育ってほしい、豊かな感性を持ってみずからが考え行動できる子供に育ってもらいたい、また、私たちもそうした子供の育つ環境を整えていかなければならない、そうした思いを県民全体で共有し取り組みができるように、いわゆるこども条例をつくろうと健康福祉部において取り組みを始めました。条例づくりは、8人の委員さんにそれぞれの思いに基づいて独自の条例をつくっていただき、それをもとに子供たちを含めたさまざまな方々の意見を反映しながら、今日のこども条例に至っております。長い間かけて県民の皆様とともにつくってまいりましたこども条例案ができましたことを、児童福祉を所管する立場からも大変うれしく思っています。 中央児童相談所の医師の活動実績と幡多児童相談所への医師の配置についてのお尋ねがありました。中央児童相談所では、平成11年度から医師を配置して、虐待などで心に傷を受けた子供のケアや保護者への対応など専門的な立場での支援を行うとともに、困難なケースについて職員への助言や指導を行うなど大きな効果を上げています。幡多児童相談所には、この医師が毎月2回出張して中央児童相談所と同様の支援や助言を行い、効果を上げています。このように、医師による心のケアは効果的でありますことから、幡多児童相談所での相談回数をふやしたいと考えていますが、現在専門の医師の確保はとても困難な状況にあります。このため、幡多児童相談所では、嘱託医師の一層の活用を検討するとともに、困難なケースについては中央児童相談所に配置されています弁護士、精神科医、小児科医で構成された虐待対応専門家チームによる専門的な助言、指導を受けることで対応していきたいと考えています。 以上でございます。   (教育長大崎博澄君登壇) ◎教育長(大崎博澄君) 児童虐待、いじめ、不登校などへの対応についての御質問のうち、まずこども条例を提案したことへの認識についてお尋ねがございました。 児童虐待やいじめなど子供たちを取り巻く状況を見ますと、まだまだ児童の権利に関する条約を初め、児童虐待防止法など子供たちの健やかな成長を保障していくための法の趣旨が、残念ながら十分浸透していないのではないかと思います。このため、こども条例を制定することによりまして、まず、県民一人一人が子供たちにもう一度向き合うきっかけづくりにしたい。学校、家庭、地域を初め社会全体が一緒になって子供たちを健やかに育てていく環境づくりにつなげていきたいと、そう考えています。また、あわせまして、行政の取り組みとしまして、条例の中で県庁全体の子供政策の理念や取り組みの方向性を明確にし、教育と福祉という所管を超えて、子供政策をともに進めていく基本条例として生かしていきたいと考えています。 次に、教員の児童相談所への配置、資格を持った職員の把握状況、資格取得に向けた取り組みについてのお尋ねがございました。児童相談所への教員配置は、学校と児童相談所のパイプを太くし、両者の情報の共有化が進みますとともに、虐待などのおそれのあるケースに対しまして地域とも連携した、より迅速で的確な対応がとれることを期待して行おうとしております。平成16年度に児童相談所に配置する教員は、臨床心理士などの有資格者が極めて限られていますので、当面、教育相談や生徒指導の経験と知識を有する適任者を派遣できるように、その人選を進めています。 現在、教職員のうち、臨床心理士有資格者は1名、教育カウンセラーなどの関連する資格を有する者は15名で、それぞれに教育事務所や学校でその専門性を生かし生徒や保護者などの相談指導に当たっています。また、最近5年間を見ますと、大学や大学院への派遣総数は97人で、そのうち不登校や非行の問題など心理学やカウンセリングに関する研究を行った者は21名でございます。多様化する児童や生徒の課題に的確な指導を行っていきますためには、教員がより高い専門知識やカウンセリングマインドを身につけていくことが大変重要で、一人一人の教員にそのような意識づけをしていかなければならないと思います。今後とも、教員の大学や大学院等への派遣に当たりましては、本県の教育の核となる人材育成の観点から適格者を慎重に選定していきます。また、大学院修学休業制度等の活用につきましても一層の周知に努めて、臨床心理士等の有資格者の拡大に努めたいと思います。 次に、スクールカウンセラーなど教育相談員の取り組みや適応指導教室など関係機関の窓口の一本化に関するお尋ねがございました。平成15年度は、公立小・中・高等学校62校にスクールカウンセラーを、公立中学校33校に心の教室相談員を、そして高等学校4校に心の教育アドバイザーを配置し、学校における教育相談体制の充実に取り組んできました。こうした相談員は、配置された学校で児童生徒へのカウンセリングはもとより、保護者や教員への支援、学校と家庭・地域とのパイプ役、知識や経験を生かした校内研修会の講師など、幅広い役割を担っていただいています。こうした取り組みの成果として、子供たちや保護者のニーズに応じたきめ細かい支援が可能になった、教職員の教育相談に対する意識が高まるとともに子供や保護者への接し方に変化が見られるようになった、教育相談の結果、不登校の子供が登校できるようになったなどの報告を受けています。 御提案のありました支援の効果を高める方策としましては、関係者、関係機関のネットワークづくりが第一ではないかと考えています。少年補導センターを核としてサポートチームを設置しましたある市町村では、保健師や児童養護施設、児童相談所などが密接に連携し、厳しい家庭環境に置かれた児童に対する適切な支援がなされたという事例もございます。また、心の教育センターを中核としまして、各市町村の適応指導教室を結ぶ不登校対策のネットワークづくりも現在進めております。今後におきましても、福祉部局と教育委員会の連携や、県と市町村の連携、地域の関係者や関係機関の連携など、子供支援のためのネットワークづくりを進めていきたいと考えております。 教育問題についての御質問のうち、心の教育センターの利活用の状況及び心の冒険教育推進事業の取り組み状況とその効果についてのお尋ねにあわせてお答えをいたします。心の教育センターは、いじめや不登校など多様化、深刻化する子供たちの悩みに対応しますため、ピア・サポート活動や心の冒険教育など子供たちによる人間関係づくりを進める予防的な取り組みと、電話やEメール、来所による教育相談など、子供たちや保護者、先生方の相談に乗り、支援する取り組みを行っています。校内研修会など直接学校へ支援訪問しました回数は、本年度は2月末現在で延べ144回を数えています。また、相談件数につきましては、2月末現在で電話相談が延べ2,062件、Eメール相談が459件、来所による相談が664件となっています。子供たちの居場所として併設をしておりますふれんどるーむ・CoCoは、延べ1,233人の子供たちが利用をしています。このように、利用件数は年々増加をしております。 心の冒険教育につきましては、2月末現在、県内の小・中・高等学校に対しまして延べ37回の校内研修を行いました。また、本年度教育センター分館の体育館に設置しましたロープコースは、講座や体験会など教員対象の研修会や各学校の授業でも活用されています。参加者からは、「安心して身を任せることができた」、「協力することの大切さがわかった」、「心が温かくなった」、こういった声が多く、心の冒険教育は人と人との温かい関係づくりに有効な取り組みであると考えています。県教委としましては、ピア・サポート活動とともに予防的な生徒指導の取り組みとして、心の冒険教育にも引き続き取り組んでいきたいと考えております。 次に、対象者を限定することなく体験活動に積極的に取り組むべきであるというお尋ねがございました。子供たちは、自然体験や文化体験、社会体験など、さまざまな体験を通じて豊かな感性や創造性をはぐくんでいきます。こうした体験が子供たちのみずから考え行動する力を養うことにつながりますことから、すべての子供たちに体験の機会を保障することは大変重要な課題であると考えています。県教育委員会におきましては、豊かな体験活動推進事業やこどもの文化浴事業、こどもの心育て体験事業など、学校や地域の実態に応じた特色のあるメニューを用意して取り組んでいます。今後におきましても、本県の持つ豊かな海、山、川のフィールドを生かした、幅広く参加者を募る体験活動の推進に努めていきたいと思います。 次に、新規高卒者の雇用対策に関する御質問のうち、まずジョブ・サポート・ティーチャーと就職アドバイザーの採用の経緯についてのお尋ねにお答えします。県教育委員会では本年度から、依然として厳しい環境にあります高校生の就職を支援しますため、雇用期間が1年間の就職アドバイザーと雇用期間が50日間のジョブ・サポート・ティーチャーを就職希望者の多い県立高等学校に配置しまして、実社会の経験を生かし、徹底した求人開拓に当たってもらいますほか、就職に向けてのアドバイスや面接指導など生徒の就職指導を行っています。 採用に当たりましては、昨年4月中旬に県内の5つの公共職業安定所を会場として、配置予定校の学校長、県教育委員会の担当者で面接選考を実施し、各学校の実情に合った就職支援が十分期待できる人材を確保するという観点から慎重に選考しました。その結果、77名の応募のありました就職アドバイザーについては8名を、13名の応募のありましたジョブ・サポート・ティーチャーについては3名を採用し、各学校に配置しました。その後、経営者協会などの関係機関に個別に人材の御紹介をいただいて選考を行いました結果、当初適切な人材を確保できなかったことから未配置となっておりました学校につきましても配置することができまして、現時点では就職アドバイザーは18名、ジョブ・サポート・ティーチャーは6名となっています。 次に、ジョブ・サポート・ティーチャーや就職アドバイザーの活動実績と今後の取り組みについてのお尋ねがございました。各学校に配置しました就職アドバイザーやジョブ・サポート・ティーチャーは、豊富な職業経験や人脈を生かして活躍をいただいています。ある学校の就職アドバイザーは、県外の求人開拓を行うため独自に県外企業にアンケートを実施した上で事業所を訪問するなど、工夫のある取り組みがなされています。そうした積極的な取り組みによりまして、まず、各配置校では事業所訪問の日数や訪問事業所数が格段に増加し、このことが企業からの求人件数の増加に確実につながっています。そして、その結果として就職内定率が平成16年1月末現在で65.3%と、前年同期より9.1ポイント上昇し、顕著な成果に結びついているものと理解しています。 こうした成果を踏まえ、県教育委員会としましては来年度も引き続きこの事業に取り組みたいと考えています。具体的には、ジョブ・サポート・ティーチャーについては短期間雇用のため生徒への継続的な就職支援が困難な点があることがわかりましたので、就職アドバイザーに一本化し、配置する人員を18名から20名に拡充して実施する予定です。なお、本事業のねらいは単に高校生の就職内定率を向上させることにとどまらず、民間で働いていた方々のノウハウを教員が学び、各学校の進路指導での共通の財産とすることにもございます。そのためにも来年度以降は、教員が就職アドバイザーと一体となって求人開拓や就職相談を行うことを通して、教員自身の指導力向上にも資するように取り組んでいきます。 次に、県外での積極的な求人開拓についてのお尋ねがございました。本県では、就職を希望する高校生のうち県内就職希望者と県外就職希望者の割合は、ほぼ3対1の割合で推移しています。その一方で、県内企業の求人数は過去10年間でも最低となっており、こうした点が本県の最近の就職内定率に大きく影響しているものと考えます。県内就職希望者が多い要因としましては、少子化、核家族化の進展があるだろうと思います。こうしたことも踏まえまして、就職問題の抜本的な解決のためには、県内での雇用創出に引き続き努力してまいりますとともに、県外企業への就職の開拓に努めていくことも必要だと考えます。 県外求人開拓のための具体的な対応としましては、東京、名古屋、大阪の高知県事務所や高知県出身者の企業人、各学校の同窓会組織などと連携し、各学校の就職担当者、就職アドバイザー、県教委、労働行政機関がチームをつくり、早い時期に集中的に県外企業訪問を行い、求人の掘り起こしに取り組んでいきます。また、従前から実施しています各学校の事業所訪問のための必要経費を増額しますとともに、就職アドバイザーの県外求人活動の必要経費も確保しています。さらに、根本的な課題解決のために、新たにPTA組織と連携をし、就職意識の醸成という観点も含め保護者と生徒を対象とした研修の場もつくっていきたいと考えております。 以上でございます。   (土木部長見波潔君登壇) ◎土木部長(見波潔君) 海砂利採取についての一連の御質問に順次お答えをいたします。 まず、海砂利採取の開始年度につきましてお尋ねがありました。戦前から、土佐湾沿岸一帯では海浜の砂利の手掘り採取が行われておりましたが、戦後の復興事業や建設事業の拡大により、骨材需要が増大したことから、採取船による海底砂利の採取が開始されています。その後、乱採掘による砂浜のやせ細りや河川砂利の枯渇化が進んだため、砂利の採取に伴う災害の防止などを目的として昭和31年に砂利採取法が制定されました。さらに、昭和43年には法改正が行われて採取規制が抜本的に強化され、許認可制となり現在に至っています。 次に、海砂利の現在の採取可能量とこれまでの産出量につきましてお尋ねがありました。現在県内で採取中の8カ所の土場における採取可能量は、約1,750万立方メートルとなっています。これまでの産出量は、昭和52年以前につきましては統計数値がないため、昭和52年度から平成16年1月末までのデータによりますと、現在採取中の8カ所の土場でのこれまでの産出量は約1,060万立方メートル、そのほか廃止及び休止中の41カ所の土場では約2,100万立方メートル、合計で約3,160万立方メートルとなっています。 次に、組合の数と隻数及びトン数につきましてお尋ねがありました。県内の海砂利採取業界には、高知県海砂利採取協業組合と高知海砂利採取販売協同組合の2つの団体があります。協業組合には6業者が所属し、499トン型船4隻と199トン型船1隻で、協同組合には5業者が所属し、499トン型船2隻と199トン型船2隻で海砂利採取を行っています。 次に、海砂利の採取料につきましてお尋ねがありました。海砂利の採取料は、高知県公共用財産管理条例及び高知県港湾区域内における行為の規制に関する条例に定められており、1立方メートル当たり90円の採取料に消費税を加えた金額を徴収しています。海砂利の採取料は、特定財源として全額を県の予算に計上しています。その主な使途は、砂利採取法に基づく許認可事務に要する経費、採取土場等の調査委託費や河川海岸等巡視員の経費となっています。 次に、地形調査などについてお尋ねがありました。平成2年4月の高知県砂利対策協議会の提言によりまして海砂利採取技術基準を設けており、現在、技術基準に適合した7カ所の土場と、港湾管理上の必要から採取している1カ所の土場で海砂利採取を行っています。この技術基準は県土の保全や自然環境に配慮して作成されており、技術基準に適合した3カ所の土場でこれまでに実施した海底地形調査の結果によれば、海底は採取したままの状態で変化がなく、海砂利採取に伴う海岸への影響はないものと考えています。しかし、技術基準の妥当性をさらに検証していくことは必要であり、その一つの方法として休止もしくは廃止した土場を対象に海底地形を調査することも考えられますので、調査場所、調査方法などを検討し、可能な範囲で実施したいと考えています。 以上でございます。   (産業技術担当理事上林匡君登壇) ◎産業技術担当理事(上林匡君) 海砂利にかわる骨材の調査研究の今後の取り組みについてお尋ねがありました。 海砂利にかわる骨材には、天然には石を砕いた砂や山砂等がありますが、いずれも資源枯渇への不安や環境へ及ぼす影響の問題があります。御指摘のとおり、これらの天然骨材の代替材料に関する調査研究が国や民間企業で実施されていますが、本県でも廃棄物となったコンクリートから骨材を再生することを目的に県内民間企業が主体となって再生資源利用協議会を組織し、アスファルトや路盤材に使う再生骨材の開発研究が行われております。それに対して工業技術センターも、強度試験等の技術的な支援を行っています。今後も、全国の動向を把握しながら、引き続き関連企業の要望等をお伺いしつつ、技術支援を工業技術センターとして行っていきたいと考えています。 なお、来年度から科学・技術アカデミーの研究サロンという自主的勉強会の仕組みの創設も予定しておりますので、この場をかりて御紹介いたします。 以上でございます。   (副知事吉良史子君登壇) ◎副知事(吉良史子君) 森議員の海砂利採取の全面禁止についてお尋ねがありました。 海砂利の多くは、生コンクリート用の細骨材として利用されています。生コンクリートの生産には、大小の粒が適度に混在した骨材が必要であり、粒の大きなものは砕石が使われていますが、粒の小さいものは現在のところ海砂利に頼らざるを得ない状況であります。このことから、骨材の安定供給を図るため、海砂利採取技術基準に適合した土場において、自然環境や県土の保全に十分配慮した適正規模の採取が必要と考えています。今後の方向性につきましては、高知県海砂対策連絡協議会の御意見も十分にお聞きをしながら対応していきたいと考えています。 なお、海砂利の採取海域周辺の環境への影響につきましてお話がありましたが、回遊魚など生態系に対する科学的調査は大変難しいと聞いております。今後、土木部とともに、まずは専門家の御意見をお聞きしたいと考えております。 お答えといたします。 ◆35番(森祥一君) それぞれに一定の御答弁をいただきましてありがとうございます。 有害鳥獣対策ですが、今部長から報告されたように四国4県で取り組むことがされている、研究調査もあわせてされているということで、ありがたいというか、そういう方向で進んでいったらいいと思いますが、私はそういった中で、調査研究が終わった後は、じゃあ例えば四国で同一機関で統一行動をとるだとか、そういった行動計画を練っていって、四国の島から有害鳥獣を少なくしていくという方策を探し出すことが大事ではないかと思いますが、そこをもう一度お聞きしたいと思います。 続きまして、児相の医師の実態についてでございますが、私が中央児相、幡多児相を訪ねていかさしていただきまして、その今の担当の先生が随分お忙しい思いをされている現場にぶち当たりました。というのも、先ほど部長がおっしゃられましたように月に2度、幡多児相にそのお医者さんが出てきてくれるわけですが、その2度とも、昼食がとれないほど忙しい。これは、忙しいということがいいことではないがですよ。そういった悩みや不安や、さまざまな思いがある家庭がそれだけ多い。逆に、裏を返せば危惧、今言うこども条例をつくって保護しなくてはならないだけ厳しい、子供を取り巻く環境がある中で、そればあ必要性を感じている健康福祉部長のお答えがありましたので、重ねてやっぱり専門の精神科医、また小児科医を置いてもらうことができないかどうかを改めてお伺いしたいと思います。 それと、教育問題について。心の冒険教育推進事業については随分効果があらわれているということをお聞きして、私は昨年の12月議会でも言わさしていただきましたが、高知県の環境の悪化を私も実感いたしますが、例えば大原町にそういった機材を導入して、それはまた一方では効果を上げているという実績も伺いました。でも私は、県内各学校は、おのおの学校林という山も持っています。そんなところで、わざわざ大原町に出てこなくても、おのおの自分の学校やその近辺で、そういった意識やら共同作業をすることの喜びだとか、そういったものの涵養は一定、自分の校区、自分の山の中、自分の海の中で保障されても構わんがやないかという思いがあります。その辺、もう一度教育長にお聞きしたいと思います。 それと、就職アドバイザーのことですが、随分効果も上げられて、先ほど教育長もおっしゃられましたように、私も内定率が上がったからその効果がよかったという短絡的な発想ではないと考えます。学校の中でも進路指導の先生方の積年の積み重ねによることと就職アドバイザーの力が相まってできたものだと考えますので、就職アドバイザーの方の効果、効用は当然ですが、やっぱり先生方の努力にも注目して、その結果がことしの内定率65.3%につながったんではないかというふうに考えます。 それと、海砂利採取にかかわる部分ですが、土木部長は、その海砂利採取料にかかわるところで、その使途が事務費だとかいろいろ言われました。調査委託費があるということですが、例えば14年、15年はどういった調査を予算を使って行ったのか、もう一度お聞きいたします。 それと、私、現状認識ということを最初に前提として言いましたが、海砂をとった土佐湾の現状認識をするために調査が必要だということで、私は過日、水産試験場を訪ねました。そのときに、高知県がどういった技術を持ち合わしているのかということを串間場長さんとお話する中で、水中カメラがあると、水中カメラと魚群探知機は持ち合わせているということをお聞きしました。 私は早速その魚群探知機や水中カメラを持って土佐湾の海底調査、地形調査をしていただこうというふうに考えていましたが、またさまざまな勉強をしていましたら、今はそういったことではなくって、それこそIT機器ではございませんがGPSとコンピューターを組み合わせて一目瞭然で、今までの魚群探知機でしたら一面的、2次元的な表と図しか出てこないんですが、パソコンとGPSを合体さした機材を見さしていただきましたら、それは3次元であらわせられるがです。3次元であらわされ、また、なおかつ角度を変えながら、いろんな実態が目の当たりにできるということを知りまして、水産試験場の機材は過去の遺物だなというのを感じました。海底調査にかかわる、そういった意味での技術革新といいますか、そういったことを高知県としてつくり上げていく思いはないのか、産業技術担当理事にもう一度お伺いをしたいと思います。 それと、副知事にでございますが、いつも言われるような答弁で終わってしまいましたが、私は、先ほどの土木部長とも関連しますが、現状をしっかり認識すること。この採取を休止しているところの調査は当然必要で、していただかないとだめだと思いますが、過去に土佐湾全体で先ほどの数量では3,160万立米とっていると。15年度では100万立米の一定の許可を出していますが、本当に土佐湾を自分の目で、今さっき言ったみたいなGPSと融合したような機材で見れば、一目瞭然、すぐ目の当たりにできると思います。環境アセスメント調査が予算的に不可能であれば海底の地形調査だけでも、私は県の姿、実態をやっぱり県庁としては把握するべきだと思いますが、その辺をもう一度副知事、お答えをお願いしたいと思います。 以上で、2問を終わります。 ◎企画振興部長(十河清君) 再質問にお答えをいたします。 鳥獣被害対策は、これまで各県、各市町村で、それぞれの立場で対策が検討をされてきましたけれども、抜本的な解決あるいは解明に至っていない状況にあります。このため、四国4県で共同して、やはり広域的に総合的にその問題に取り組む必要があるのではないかということで、先ほども御答弁を申し上げましたが四国4県の連携施策として共同調査し、それに基づいて出た結果を共同で研究し、総合的な対策を検討していくという方向を本年度から打ち出したわけであります。 また、これも先ほど御答弁をいたしましたが、13年からは中四国農政局の呼びかけによりまして、四国地域野生鳥獣対策連絡協議会も発足していますし、専門家の方々、あるいは農業者、狩猟者等が参画をした四国地域の鳥獣対策ネットワークというものもございますので、そういった機関との連携をとりながら四国地域全体で、この農業被害からどう守っていくのか、鳥獣対策をどう講じていくのか、そして適切な鳥獣の保護というのはどうあるべきかというところを、共同でなお研究していきたいというふうに思います。 ◎健康福祉部長(吉岡芳子君) お答えをいたします。 ただいまお答えを申し上げたとおりでございますが、現状の医師確保につきましては、小児の精神を専門といたしますドクターが非常に少ないこと、そして小児科医そのものが少ないこと、そして本年度から始まります臨床研修医の制度のことなどで、医師確保が大変難しいという状況がございます。お答えに関しましては、先ほど御答弁の中で申し上げたとおりでございます。今後、県におきましても、この医師確保ということにつきましては一生懸命努力をしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ◎教育長(大崎博澄君) 心の冒険教育についての再質問にお答えをいたします。 この施設は、実は大きな森林などの自然の中に、しかも宿泊施設なども伴って設置をすることが効果を最大限に出すというふうに聞いておりました。ただ、残念ながらそのためには維持管理などの経費も非常に膨大になりますので、一番安くできるということで、あの大原町の分館に設置をいたしました。 私自身も体験をいたしましたが、非常に感じましたのは、コーディネーターと申しますか指導者次第によって、効果が非常に大きく違ってくるということを感じました。したがって、この指導者の育成に今、一生懸命取り組んでおります。この指導者が適切に育成できれば、近辺の自然を利用して同じような効果を上げる取り組みが可能になってくるのではないかというふうに考えております。当面は、そういう意味で、この施設を使って指導者の育成に積極的に取り組みたいと思っております。 ◎土木部長(見波潔君) 過去の調査委託費の使途についての再質問にお答えをいたします。 平成14年度の調査委託費につきましては、土場での深浅測量の委託費、それから海砂利採取に係る夜間の監視の調査委託員のための費用に使わせていただいております。平成15年度につきましては、新規の土場を開くための調査費、あるいは新規採取地の監視のための巡視員を設置するための費用でございます。 以上でございます。 ◎産業技術担当理事(上林匡君) 水中カメラや魚群探知機が海底地形調査の用途からはおくれているのではないかという御指摘がございました。 水中カメラや魚群探知機につきましては、必ずしも海底地形調査のための装置ではなく、各種漁業のための用途に使われております。したがいまして、おくれているということではございませんが、GPSによる海底地形調査の実態につきましては勉強さしていただきたいと、それについて県が取り組むかどうかも含めて検討さしていただきたいと考えております。 以上でございます。
    ◎副知事(吉良史子君) お答えをいたします。 先ほど産業技術担当理事の方から御指摘のような手法が技術的にまだ、また費用の面で可能であるかどうかということを十分勉強もいたしてみたいというように考えております。お答えといたします。 ◆35番(森祥一君) 最後になりましたが、もう統括というか砂利に特化して知事に最後にお伺いをしたいと思います。 私、去る2月17日、高知県科学・技術アカデミー第1回ミッション統括会議に参加さしていただきました。その会では学ぶことが多かったわけですが、早稲田大学長谷川眞理子教授の基調講演の中で、「我々は今、エネルギーを使い過ぎている。今、生活がよくなったとしても、そのツケが次の世代に回るので、循環が悪化したり、エネルギー源がなくなったりして、今と同じ世界を受け取ることはできない。また、持続可能な成長、持続可能な発展と言われるが、これはまず無理で、発展といっても質的な転換をした発展をしなければならない」ということをおっしゃっておられました。そうすると、物質的ではなく質的な発展がどこにあるのか、見きわめなければいけないとも申されました。 そんな中で、知事も4つの重点課題の一つに資源循環型社会の先進県を目指すということを提案理由の説明の中でも、また予算の隅々に配慮されていますが、知事に5年、10年といった中長期的な観点からも海砂利採取禁止をまず打ち出して、それから構造転換や代替骨材の研究もあわせて行い、海底等の地形調査も行う。そういった意味で県土をしっかり認識して、それから幾通りかある対応策を見つけ出し、その後に政治判断をもって、将来に禍根を残さないためにもぜひ海砂利採取全面禁止に向かおうという決断をお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いします。 ◎知事(橋本大二郎君) 森議員の再質問にお答えをいたします。 私には、海砂利の採取の全面禁止に向けて長期的なビジョンを持つべきではないかという御趣旨の質問であったと思います。このことは、2つほどの論点というかポイントがあるかなということを、お話を伺って思いました。その一つは、海砂利の採取が砂浜の後退ですとか、そういう自然環境の悪化に直接の影響、因果関係があるかどうかという点であろうと思います。この点で県は、これまでも繰り返し申し上げておりますように、現在の技術指針を守ればその点の問題はないという主張を繰り返してきております。 ただ、御指摘のように、大岐の浜などの砂浜がやせ細ってきているということも事実でございますし、またかつて、より海岸線に近い地域での海砂利の採取が行われた結果、海岸砂浜に影響が出たということも事実として受けとめております。ですから、先ほど土木部長からもお答えをいたしましたように、既にやまっている、取りやめている土場で、その海底の地形の状況を調査するということをぜひ実施してみたいと思っておりますが、そのほかにも専門家のさまざまな形での御意見を伺うとか、また今御指摘のあったGPS等の可能性を検討してみるというようなことで、この問題をもう少し深くその影響を考えてみるときに来ているというふうに思います。その結果、もし海砂利の採取と自然環境の悪化、砂浜の後退などとの間に、直接の因果関係はもちろんですし、また蓋然性があるという結果が出れば、長期を待たず短期のビジョンとして、その見直しを検討しなければいけないと思います。 そうしたさまざまな調査や意見の聴取の結果、なおそうした具体的な関係がつかめないという場合に、しかし自然環境を守るということと、そして新たな骨材への転換の可能性やコストとのバランスをどう考えていくかというのが、今の資源循環型社会の中での一つの大きな課題だというふうに思います。長期的なビジョンということに立てば、この全面禁止云々ということとは別に、そもそも海砂利というものは限られた資源でございますので、やがては山の石をもっともっと細かく砕くとか、また御指摘にあったようなさまざまなスラグなどの再生資源を活用するといったような可能性を検討しなければいけないということは、言うまでもございません。とすれば、先ほども申し上げた資源循環型の社会を目指すという本県の立場からいたしましても、もう今のうちから、より積極的に別の骨材、先ほど御指摘のございましたリサイクルのコンクリートもそうですし、また四国電力さんなどが取り組まれておりますスラグの再生資源としての活用といったこともそうだと思いますが、そのようなことの技術的な研究ですとか、またコストの面での可能性ということを探っていくべきだと思いますし、このようなことを含めてこの将来の骨材をどうするかという、ビジョンかどうかは別にいたしましても、そういうことについての長期的な考え方を示していくべき、そういう時期に来ていると受けとめております。 以上でございます。 ○議長(溝渕健夫君) 暫時休憩いたします。   午前11時35分休憩---------------------------------------   午後1時1分再開 ○副議長(岡崎俊一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 13番西森潮三君。   (13番西森潮三君登壇) ◆13番(西森潮三君) それでは、お許しをいただきましたので順次質問をさせていただきます。 我が高知県議会が創設をされて、今年はちょうど125年の節目を迎えます。明治12年(1879年)に高知県議会が創設をされております。その中で、100条委員会、こうしたものが設置されたのは、当然地方自治法ができてからでありますから戦後ということで、さきの平成12年のいわゆるやみ融資事件の特別委員会ができた、これが47年ぶりでした。昭和28年の川村和嘉治知事当時に100条委員会が設置されて、今回が3回目、しかもその中で橋本知事になってから2回と、こういうまさに県政歴史の上でも異例中の異例です。 私は、この問題でのやりとりを聞いておりまして、これは、一番最初の選挙にかかわった我が党の田村参議院議員と知事との今の確執にしても、あるいは一連のこうした知事にまつわる事件というのは全部、外から見れば身内から出た話ということになると思うんです。後援会事務所の問題にしてもそう、笠さんの問題にしてもそう、いわゆる後援会事務局長という関係でありますから。笠さんが知事にも話をしてあると証言もいろいろ出ていますが、もし知事が不関知、自分のかかわっていないことと言うんなら、これだけ大事件になって、県政もいろいろと三位一体の改革等の中で厳しい状況に置かれて、全精力を県民のため県勢発展のために注がなければならない執行部の皆さんが、あるいは我々議員も同じだと思うんですが、こういうことでエネルギーを消費される。もし事実と違う点があるのなら、私は知事が笠さんを告発しない、告訴しないというのがおかしいと思う。 県民から見れば、そうすれば懸念も、あるいは知事が黙して語らずという姿勢も理解できると思うんですが、そういうことはお考えになっておられないのか、まず一つ伺っておきます。 それと同時に、実は昨日の植田議員の質問で私はがっかりしたんですが、12年間知事に就任をして反省点は何かと、こういう質問をされて、職員の意識改革が遅々として進まないことだと、こういう趣旨の答弁をされました。これは、就任して二、三年とか、そういうことなら理解できるけれども、12年もたっていまだにこのことを訴え続けて、そういうことをこの県議会の場で言わなきゃいかんということは、これもまた異常だ。まさにそれは意識改革を訴える知事自身の姿勢にも問題があるんじゃないでしょうか、訴え方に問題があるのではないかと。 なぜこういう状況にあるのかということについて御意見を述べていただきたいと思います。 それと、これだけ12年も訴え続けて、意識が変わらんということになったら、まさにこれこそ事務方のトップとして副知事あるいはここに居並ぶそれぞれの県幹部の皆さん方は、トップの意を体してどう県政を進めようとしておるのか、これは極めて責任重大です。そういったこともあるので、職員に訴える姿勢として、要するにお互いがどこでいろんな話をしてもそうですが、心に感動がなかったら行為、行動としてあらわれないと思うんです。ただ、メールで心の通い合いがないままに自分の意思を伝えるだけでは、職員が意見を体して行動するということにはならない。 私は、もっと職員との接し方というもの、職員研修というのは一体どうなっているんだと、そのことを申し上げたいと思いますが、そのことについてのお考えを聞かせていただければ幸いに思います。 それから、これは副知事にもちょっとついでに私は申し上げておきたいと思うんですが、午前中の質問にもありました就労、あるいは少子高齢化、過疎、市町村の合併問題、職員の意識改革の徹底など、今、副知事が事務方のトップとしてやらなければならないことは本当に山積をしておると思うんです。一番の問題は、53市町村で高知県で人口がふえておるのは、過去10年を見てもわずかに5市町しかありません。これだけ急激な過疎・中山間地域の疲弊が続く中であなたが副知事に就任をするというのは、いわゆる中山間地域の村長の経験を買われて副知事に登用されました。そして、中山間地域の対策本部長に今就任をされておる。そのほか、特別職報酬等審議会でも、我々もそうですが、副知事、三役のほかの、いわゆる存在というのが見えないという意見も出た。やらなければならないことは今までにも、競馬問題にしてもそうです、産廃問題にしてもそうです。これだけ財政が厳しいときに、産廃でも毎年10億円以上の予算を計上して、未執行で繰り越し、繰り越しでやって、とうとうまた場所も変える、そういうことをしてきました。幾らでもやらなきゃならないことがあるのに、そういう状況が続いてきた。 副知事として今の県政の問題をどういうふうにとらえておるのか、その思いを。 あるいはまた、三位一体の改革というものをどういうふうに今とらえて、どう市町村と携えて克服しようとしておるのか。こういう時代ですから、市町村との連携ということは県政の上で非常に大事であります。そういうときに、市町村との、知事あるいはその間にあって副知事の果たす役割というのは大きいと思うんですが、それが十分に果たされていると考えておるのかどうか。 そして、肥大化していく職員あるいは県庁の機構、これだけ予算がどんどん減っておるのに、部局はふえる、課長はふえる。あるいは、どこでどういう仕事をしておるのかネーミングを聞いても我々にもわからない。こういう状況が本当の県民サービスにつながっていると考えておられるのか。 そして、最近は、いろいろ物事をするのに、検討委員会だとか、そういう人にすぐ丸投げ、依存するという傾向があります。外の人の意見を聞くということ、県民の意見を聞くということは大事ですが、それをそのまま議会に提案するというのは、県庁の組織のいろんな政策を企画立案していくという機能は一体どうなるのか。そこのあたりをどうとらえているのか、そのことについてお伺いをしておきたいと思います。 それと、もう一つ知事に、高知医療センターについて。いよいよ今年から県立中央病院、高知市民病院は県・高知市病院組合立で運営することになって、来年から池の方に、装いを一新した病院に移ります。そこで大事なことは、中央病院もそうでしたが、経営というものの責任の所在があいまいなゆえに、自主再建不可能ということで統合病院ということになっているわけです。 この高知医療センターのだれが一番最高責任者なのか。管理者と病院長予定者、その責任の所在というのはどうするのか。妙に、話を聞いておると、その運営、経営についての責任の所在があいまいであります。そのことについてお伺いをしておきたいと思います。 次に、近海かつお一本釣漁業振興対策事業についてですが、この原稿を書いておりましたが、きのう植田議員が質問をされたんで、原稿に頼ることなく第二問という感じで進めたいと思います。まずこのことは、本県の近海カツオ一本釣り漁業者、これは私も、高知の近海カツオ・マグロ漁業というのは伝統産業の一つですから、何としても発展、振興するようにしたいとだれよりもそう思っております。それだけに、この事業が円滑に進むようにしていくということが大事だという観点で伺いたいと思います。 この一本釣り漁業の不振というのは、三重県、和歌山県あるいは静岡県等の大型まき網船団との競争の激化、こういうことで魚価の低迷が続いているということが一つ大きな原因として挙げられるわけであります。そこで今回、その振興策で、県が2億円の補助金を県漁連に出してカツオ漁船119トンを2隻建造して、県漁連が漁業者に貸与すると、こういう内容であります。このことについて、漁連内部では意見の集約ができず、予算はこの議会に提案されておるけれども、その事業主体になる漁連の方ではまだ集約ができていない、そしてそのことが原因で漁連の会長が突然辞任をすると。県がその原因をつくっているわけです。そういう状況にあるわけであります。しかも、こういう経営事業でありながら、いわゆる自己負担というのが一銭もないというのは、そのほかの事業で県にありますか。福祉事業とかそういったことならともかく、こういう経営事業、成功すれば収益を当事者が得られるものについて、自己負担がないというような形でこの事業を進めて本当に成功するんだろうか。当事者の意識の問題です。 過去にも、モデル事業等によってこの沿岸漁業関係でも導入をして、成功したという例はほとんどありません。キンメダイとかそういったところで多少の成功事例はありますが、県下のずっと東西の沿岸で、モデル事業で船を貸し与えて成功した事例というのはありません。そういう過去の体験、経験、そういったことから二度と、しかも漁連というのは過去にも大きな事故がありました。土佐鰹漁業協同組合というのは、昭和40年代には100隻以上の大船団を形成して、カツオの一本釣り漁業では全国一を誇った時代もあったわけであります。その土佐鰹漁協はカツオ漁業の大型船主のつくった業種別の組合で、県下の一般沿岸漁業組合とは性格の違う任意の団体であります。今でもそうなんですが、その土佐鰹漁協は今から七、八年前、これは平成9年だったと思うんですが、船主が経営不振に陥って倒産が相次ぎ、自主解散をせざるを得なくなった、そういうことがありました。県信漁連からの転貸資金約40億円が焦げつき、土佐鰹漁協解散による負債処理は税金の問題を主として大変難しい処理をせねばならなかったが、当時の副知事の大英断や、あるいは有力者の協力によって政治的に解決をしたという経緯があります。 その後、カツオの火を消すなと、こういう合い言葉であったわけですが、過去にそういう土佐鰹漁協の事件、倒産という状況があって、今でも県漁連の参加組合ではないわけです。それぞれ沿岸地域での漁協の組合員ではあるけれども、高知かつお一本釣組合というのは漁連の参加組合ではないんです。そういったこと。それと、これに対して県が2億円を補助してまだ8億円以上船をつくるためには要るという事業で、リスクが大きい。だから県漁連はそのリスクを背負うことができない、それは漁連にとっても大変なことだということで、会長が辞任に追い込まれ、昨日新しい会長さんが決まりましたけれども、はい、わかりました、その事業を受けましょうというコメントはまだありません。 しかも、予算計上をしてから海洋局の幹部職員が各漁協の理事さんにあいさつ、お願いに回ったり今でもしておるという状況。これだけいろいろとやってほしいという要請があるにもかかわらず、このことをなぜこのように急ぐのか。これは県庁内部の事情、あるいは海洋局、そういったところの一つの枠を削らないためにこういうことになったのではないかと思えてなりません。 なぜ、事業主体である漁連が理解、納得のできないままこういうふうに予算計上をしたのか、そのことについて私は伺っておきたいと思います。 また、この漁協というのは、以前は2万人以上も漁民がおりましたが、今は5,000人を切るというようなそういう状況になっておるわけでありますし、それだけに漁連としては、この状況の中でこうした事業を今推し進めるということに大きな懸念がある。 この事業というのは単年度で終わりですか、継続して今後もおやりになる計画があるのか、そういったことについてもお伺いをしたいと思います。 漁連というのは、今から40年ぐらい前にもハマチ養殖事業でつまずきがあって、そのときは罪人も出すという大事件がありました。そういうこともあるだけに、漁民に対して県民に対して責任を持たなきゃいかんということで、リスクが大きい、だからもう一年、十分にお互いが腹張るまで待ってほしいと言うのも聞かずに、あえて予算計上して強行しようとしておる。私はそのことが理解ができない。こういう形で事業者、当事者に理解、納得も得ることなく予算計上して、今ごろになってまた走り回って協力要請するというのは、県政としてあり得ないことだと。 本当に県としてやることは、徹底した行政指導、その結果、事業主体からこういうことをしたいという具体的な案が出てきてやるべきだと私は思います。そのことについてお答えをいただきたいと思います。 次に、大学の改革の問題ですが、私が高知女子大学、県立大学の改革等について質問するのはこれで4回目になります。まず、平成10年4月に高知女子大学は4学部6学科に大学院を擁する大学となり、運営されておりますが、教員の意識改革のおくれや教員研究体制の不備を指摘され、大学改革の議論が始まりました。また、平成15年1月には県立大学改革検討委員会が設置をされ、将来にわたって県民の期待にこたえていくための検討が進められておるところであります。 私は、もう既に国立大学では統合が進み、独立行政法人化がこの4月からいよいよ実施されるということになっておるわけですが、公立大学はなぜこんなにおくれるのか。高知女子大にしても、一番の問題は、県は金は出すけれども中身について何の口出しもできないという、こういう運営体制を改革していくべきだということをかねがね申し上げてまいりました。今回も、改革検討委員会でいろいろと議論をされて一つの方向を出しておられますけれども、ただ、それも私は大学の改革についての議論が後先になっておると、もっとやるべきことを先にやるべきではないかというように思います。 そこで、これからの学校の運営に責任が持てる、要するに学長は高知工科大学のように理事者側が選んで、そして大学の人事とか予算に関することは学長に責任を持たせていくと、そういう体制にまずすべきだと。管理運営を一切そういうふうにして責任者にまかせるということにしなきゃいかんと思うんですが、その学長も学内で、身内で選挙という形にいまだになっておる。それは、自分の学費だけで、自分で財源も確保してやるんならいいけれども、県は税金だけは出さにゃいかん、補助金、助成だけはしなきゃいかんというところに、今の大学の運営のいいかげんなところがあるのではないかと。 そこで私は知事に伺いますが、県民に責任の持てる県立大学、あるいは県立大学の管理運営についてどういう理念をお持ちになっておるのか、お伺いをしておきたいと思います。これから、例えば高知工科大学もそうなんですが、県立と同じような形で県民がほとんどの金は出すということですから、管理部門だけは1つにするというようなことができないのか。それから、これは直接は関係はないんですが、総合看護専門学校、高知女子大にも看護学部があって、こういうのもどういうふうにしていくのか、ぼちぼちそこのあたりの根本的な整理あるいは方向というのを示していくべきではないかと思うんです。そのあたりはどうなっておるのか。 それから、もう少し私は改革に向けてのスピードを上げていかなきゃいかんと思うんですが、本年のこの議論が、大学改革について始まって間もなく2年になります。出てきた中間報告の中では3つのことについて集約をされておるわけでありますが、この中で一つは男女共学をどうするかで、これも結論は出ずに両論併記です。これらももう男女共同参画社会だというような時代、あるいは大学院では男性も受け入れをしておる中で、こんな議論が今さら行われるということがおかしいんで、むしろ当然のことで、学科、学部によって男性が中心になり女性が中心になるというのはあると思うけれども、そういう壁をつくるということ自体がおかしいと思うんです。昔は看護婦さんと、こう言っておったのが、今は看護師ですよ。男性でもいいわけです。そういうことから考えると、時代の流れに沿っていくというのは当然ではないかと私は思いますが、どうか。 それからもう一つ、高知短期大学の問題でありますが、これも志願者数が年々減少して、平成8年度以降はほぼ全入の状況にあります。学生の有職率は50%を下回っておる。こういう状況の中で、地域の産業や経済、行政を支える社会人への高等教育の場という役割は、もう既に低下して終わっておるのではないかと思います。そこで、新たな視点で考えていく必要があると思いますが、大学教育としての限界、あるいは生涯教育への貢献度といった視点で結論を早く出していかなきゃいかん。私は、もう短期大学という役割は終わったのではないか、生涯教育というのは別の観点で考えていくべきではないかと思います。今後の少子化を考慮しても、県内大学の収容力の拡充、こういったことも必要でありますし、私はこういうこれからの一つの方向の中で、地方にある大学というのは非常に厳しくなってくるだろうと。そういうことを考えますと、地方での大学のあり方について抜本的に、根本的に、どういう特色を持っていくかということの議論を重ねてほしいと、そういうふうに思います。 それから、これは大学改革の視点での、知の拠点としての社会貢献活動の充実、開かれた大学の確保にも大いに関連することですが、高知県においては県民の民意を高揚する生涯学習システムづくりが余りにも立ちおくれていると思うわけであります。四国の3県と比較しても、図書館にしてもそう、文化施設にしてもそう、生涯教育センターに至ってはいまだ建設すらできていないという状況でありまして、これから県立大学がどういう県民サービスができるかということをしっかりと考えていかなければならないと思います。 高知工科大学、あるいは高知県立女子大学のこれからのあるべき姿、それから具体的に知事としてどういうふうにリーダーシップをとって、早急に一つの結論を得て新しい時代のニーズに合う大学につくり上げていくのかということについての知事の考え方を伺っておきたいと思います。 それから次は、観光の問題についてお伺いをしたいと思うんですが、これは提案を交えて申し上げていきたいと思います。今の高知県を考えますと、いろいろこの議会でも議論はされておりますように、観光、当面はこれに高知県は力を入れていかなければ、企業誘致といっても言うべくしてできる話ではありませんし、また本当は県内のそれぞれの地域にある企業、産業をどう育てるかということを一番考えていただきたいと思うんですが、これもなかなか厳しい状況にあります。そのことを考えると、観光ということが私は大事になってくると。経済の低迷あるいは少子高齢化、中山間地域の過疎など、こうした地域の活力が失われておるときに、高知県の発展、産業の振興を図っていくということであらゆる知恵を絞ってほしいと思うんですが、その中での戦略として観光というのは非常に大事だということを申し上げていきたいと思います。 知事は、4期目の選挙公約でも観光振興と交流人口の拡大を掲げてこられました。これからの観光は、高知県だけで考えるということでなしに四国4県あるいは国際観光というような外国からの集客誘致ということを考えると、2つのとらえ方で観光振興ということを考えていく必要があるのではないかと思うんです。それは、四国4県連携して、地域連携して進めるということと、高知県単独で取り組むということを分けて、それぞれの取り組みをしていくということが大事だと。そういうことでは、さきの2月7日に高知のNHKで四国4県の知事さんで、元気が出る四国をメーンテーマにした会談が行われておりました。三位一体改革に伴う財源問題や4県連携のあり方などが話し合われたようでありまして、四国を一体としてとらえた観光事業の必要性などについても意見交換をされたようですが、その経過も踏まえてお聞きをしたいと思います。 平成15年度には四国4県にJR四国を加えた四国観光立県推進協議会を立ち上げ、四国共同キャンペーンなどの観光客の誘客に向けた四国4県連携による活動がされてきたと、こういうふうに承知をしておりますが、今後、四国4県連携の観光客の誘客に向けた取り組みとしてどういったことを具体的に展開していくつもりか、お伺いをします。 特に、外国人観光客の誘致、誘客についてでありますが、昨年7月には小泉内閣が観光立国行動計画を決定して、国土交通省を中心にビジット・ジャパン・キャンペーンを展開されております。政府は、2010年4月までに訪日外国人旅行者を倍増して1,000万人とするための戦略に取り組んでいる最中でありますが、全国の都道府県レベルでも同様の取り組みの強化が図られているところであります。四国では、香川において、平成14年度から外国人観光客の誘客と国際チャーター便の運航、国際定期便の利用を促進し国際観光の振興を図ることを目的に、香川県外国人観光客誘致対策事業補助金の交付制度を実施しています。愛媛県も昨年12月から期限を切って、愛媛旅行商品販売促進事業を展開しております。 高知県も、国内のみならず海外に目を向けた観光客誘致の取り組みを強化するということを、昨年の12月議会でも知事は選挙後述べられていたわけですが、具体的に高知県はどういうことをしようとしておるのか。また、このように四国4県がばらばらでなしに、やっぱり、「いやしの国々 あったか四国」として外国に売り込むとか、四国4県が外国人観光客の誘客に対する同一の補助事業を創設していくとか、そういうことが必要だと思うんですが、知事のお考えをお聞きしたいと思います。 次に、観光客の入り込み動態調査について伺います。これはずっと、県外観光客が500万人観光になったとか落ち込んだとかということで一喜一憂をしておるのが今の状況なんですが、これがもし本当に500万人高知に来ておるとすれば、旅館、ホテル、宿泊は絶対足りないと思うんですね。どうも、この数値の根拠がおかしいように思います。この調査方法というのは昭和45年ごろからずっとやってきておるように思いますが、これから各県ばらばらの観光とかということでなしに観光立国というようなことになりますと、全国統一で本当に正確な、実態に沿う調査をやるべきではないかということを申し上げておきたいと思います。 それから、既に商工労働部観光振興課では、新しい方向での従来と異なる調査方法で調査をしているということも伺っておるわけでありますが、このことについて今どういう調査方法をしておるのか。また、その結果がどうなのか。その結果についての発表は、まだあっておりませんけれども、そのことについてお伺いをしておきたいと思います。 また一方、高知県の観光の振興は、強力な推進組織のもと、行政の統合的なリーダーシップと持続的な個々の施策の積み重ねが大事であります。さらに言えば、私は、加えて県民の理解と協力というのは大事だと、こう考えておるわけで、県民参加による観光立県に向けた具体的な取り組みを展開していくことが、高知県の観光を振興する上で重要なポイントになってくると考えております。そういった観点から、我々は絶えず、観光局というものを設置してこのことに県民挙げて取り組もうということを訴えてきましたが、なかなかそうしようということに知事の方ではなっておりません。 そこで、高知県の観光産業を育成する、いわゆる外貨、県外からの金を獲得していくためには、我々は観光しか当面ないということを考えて、観光振興を推進していくための条例づくりを議員提案していきたい、そういう思いで今準備をしております。観光関連団体との意見交換会やアンケート調査等を今実施しておりまして、「県民一人一人が観光ガイドである意識の高揚が必要だ」、「住民がやる気になるような雰囲気づくりに力を入れるべきだ」などのそうした意識改革を強調する方も、アンケート結果を見ますとおられます。そういったことで、住民がやる気になるような雰囲気づくりに力を入れるべきだと、そういういろんな例が挙がってきておるわけであります。 この条例においては、観光立県を目指すための基本的な考え方、方向性を示すとともに、広く県民の方々が理解を深めて共通の目標、共通の認識を持っていただくための道しるべとなるように願っておるところでありまして、これからそういう取り組みを具体的に進めていきたいと思いますが、知事は開会日での提案説明で、来年度、本県が目指す観光の将来像を明らかにする観光ビジョンを広く県民の皆さんの参加を得て策定すると、こういう観光立県に向けた県民運動的な盛り上がりにつなげていきたいと、こう述べられておるわけであります。 その具体的な手順、観光立県に向けて県民運動的に盛り上げることについて、現時点の構想についてお聞かせをいただきたいと思います。 それからもう一つは、これはさきの議会でもありました高度化資金の融資における連帯保証ですが、時間が余りありませんから、このことはもう原稿を読むということでなしに。動産登記制度、これが、ベンチャー企業を初めとして、中小企業はもちろんのこと、企業意欲に満ちた者、そして事業再生意欲のある事業者を支援し、今までの連帯保証人という呪縛から解き放して救済することが可能になると、こういうふうに思われるわけであります。 この新たな制度の導入についてどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。 それから、サンモールの件でもあったように、多額の債務返済を連帯保証人に求めても、債務者が自己破産すれば債権保全にどのように対処するのか、連帯保証人に対する保証履行はどうなっているのか、こういったことについても私は伺っておきたいと思います。 それから、先ほどの近海カツオ一本釣りのことで、このリース事業をやることについて、事業主体であるそうした方々に自己負担がないというのがどうしても私は理解ができない。これが一番やる気ということにつながってくると思うので、そのことについての御答弁をいただきたいと思います。 それから、もう一つ。県立の図書館、これも随分、構想が持ち上がって検討もしておるというふうに伺っていたわけであります。最近は、図書館というもののニーズというか、一般の国民、県民の見方というのが随分変わってきております。これは教育委員会の方で、この図書館問題というのが大きな懸案事項であることは間違いありませんで、いろいろと議論も重ねてきて、研究あるいは検討もされてきておると思うんであります。伺うところによりますと、高知西武の跡地に民間活力を導入した新しい集客、そして21世紀の期待される図書館づくりということが今、構想として検討をされていると。進化型図書館というような言葉も使われるように、図書館というものを取り巻く環境というものは随分変わっています。 今、図書館についてどういう検討がされて、例えば高知西武跡地の問題なんかも当然議論、検討をされていると思うんですが、どういうふうな状況になっておるのか。 そして、この事業について知事はどういうふうに考えておられるのか。 図書館の新しい方針、これは、私は市民図書館と県の図書館というのは、この時代ですからそれこそ1つにしたらどうかと。そして、そういうところへ集約をしてやれば、商店街の活性化にもなる。今まで図書館というのは林の中で静かなところというのが大体イメージとしてあったんですが、近ごろはそうではなく、街の真ん中にそういう進化型の情報発信としての図書館機能というようなことが新たなニーズとして展開されているんだということも伺っております。 その検討状況についての説明と、事業等どう推移しているかについてお答えをいただきたいと思います。 では、とりあえず第1問を終わります。   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 西森議員の御質問にお答えをします。 まず、笠さんの問題についてお尋ねがありました。御指摘にありましたように、重要な課題が山積をしています中で、私にかかわる問題で時間を費やしてしまっていますことを大変申しわけなく思っています。ただ、笠さんは子供のころからの知り合いですし、もうかなりの高齢になられていますので、これ以上私自身の手でお互いの間に傷を深めるようなことはしたくないという思いを、昨年の選挙の際にも一貫して県民の皆様に御説明してきました。 次に、職員の意識改革について御質問がありました。この12年間の反省は幾つかありますが、昨日の御質問は何か一つとのお尋ねでしたので、あえて就任以来申し上げてきました職員の意識改革を挙げました。多分、職員の目から見れば県庁全体の意識は随分変わったと受けとめられていると思いますが、私は意識改革のレベルは絶えず高めていくべきものだと考えていますので、道半ばと表現をしました。 また、職員研修にも触れられましたが、御質問の趣旨が十分つかみ切れませんでしたので、申しわけございませんが、もう一度御説明をいただければと思います。 続いて、来年の春開院予定の高知医療センターの経営についてお尋ねがありました。新しい医療センターの経営責任は、当然明確にしていかなければなりませんが、公的な性格の強い病院であることには変わりありませんので、県や市のかかわりも否定されるべきではないと思います。 次に、近海カツオの一本釣り漁業の振興策に関しまして、16年度の予算に計上する理由や事業主体として予定されています県漁連の対応の見通しについてお尋ねがありました。本県の近海カツオの一本釣り漁業は、最盛期には100隻余りを数えましたが、まき網漁業や他県との競合などによりまして、現在は24隻にまで減少をしています。また、この24隻のうち19隻は建造後20年以上を経過した老朽船ですので、船足も遅く、水揚げ港と漁場との往復に要する時間の関係から漁獲量や鮮度の面で大変不利な状況に陥っています。 一方、現在全国で93隻あります近海カツオの一本釣り漁船は、今後15年くらいの間にさらに20隻程度減少すると予想されていますので、このまま推移すれば減少する船のほとんどが高知県の船ということになります。そうなれば高知県から、土佐の伝統文化でもあるカツオの一本釣り漁業と観光の面などにも大きな影響のある土佐のカツオというブランドが消えてしまうおそれがありますので、早急に効果的な支援策が必要だと考えました。そこで、予算化の時期も、せっかくならば事業の効果をできるだけ早く出したい、つまり来年2月の漁期に新船の建造を間に合わせたいとの思いから16年度の当初予算に計上をしました。 また、御指摘にもありましたように、県漁連は過去に養殖業に起因しました多額の不良債権を抱えて経営破たんに直面をされた経緯があります。そのため、新規の事業、とりわけリスクを伴う事業に着手することに慎重にならざるを得ない状況も十分に理解できますので、今回は県漁連のリスクを最小限に抑えますため、さまざまな対応をとることにしています。具体的には、リース先の選定に当たっては、過去の水揚げ高と経営能力から見て確実にリース料の支払いが可能な経営体を対象にすること。また、リースを受ける経営体には、県と県漁連、それに金融機関などの職員で構成します経営管理委員会を通じまして、毎年度の経営管理を徹底すること。さらには、航海ごとに、県の信漁連の口座を通しまして一定の割合を水揚げから天引きする形で、リース料を強制的に徴収すること。あわせて、税引き後の利益の50%を1年間のリース料の額に達するまで保証金として別途漁連に積み立てることなどの対応策を講じることにしています。 御質問の中では、建造のときに自己負担をさせることが必要ではないかという御趣旨のお尋ねもございました。このように、借り手の側のモラルハザードを防いで、安易な経営や無責任な事業をさせないための手段をとることは重要なことでございます。このために、今申し上げました事業の組み立ての中でも、県漁連のリスク回避策が同時に借り手の側にとっても安易な経営につながらないような仕組みを工夫したと考えております。また、県漁連では昨日新しい会長が選任されましたので、早急にこの事業の取り扱いについて、まずは理事会で検討していただくよう要請していますが、前回の役員会以降、海洋局がすべての役員の方々に対しまして事業の組み立てや県漁連のリスクを回避するための対応策を詳しく御説明させていただきました結果、事業の必要性には御理解を得ているとの報告を受けています。 続いて、県立大学の改革に関しまして、設置者としての大学の管理運営に対します基本的な考え方と改革への決意についてお尋ねがありました。県立大学は、県が設置をして県民の皆様の税金で運営されていますので、設置者であります県の、ひいては県民の皆様の期待にこたえていく責務を負っています。しかし、現状のままでは、大学を取り巻く環境の大きな変化を受けとめて、みずから変わっていくことは難しいのではないかと感じています。ですから、設置者として大学改革に積極的にかかわっていくべきだとの考えで検討委員会を設置しました。 また、検討をいただく内容につきましても、学部・学科の再編や男女の共学化の是非など、設置者として抱えています課題を的確にお伝えしていますので、最終提言を踏まえまして県立大学のあるべき姿を明確にしていきたいと思います。一方、大学でも学長を中心に大学改革に向けた取り組みが進められていますので、大学側とも議論を重ねながら、県民の皆様の御期待にこたえられますような大学づくりを目指していきます。 次に、男女共学にすべきではないかとのお尋ねがありました。確かに、全体的な傾向としては男女共学の大学が大多数ですし、検討委員会の中でも県立大学である高知女子大学が将来にわたって男性に門戸を閉ざし続けるべきかについては否定的な意見が多数であったとの報告のとおり、共学化を支持する意見が多数を占めています。しかしその一方で、女性の地位が向上したといっても、なお男性優位の社会の中では、女子大学の使命は重要だとの有力な意見も委員会の中にありましたことから、結論までには至っていません。共学化の是非は県民の皆様の関心も高いテーマだと思いますので、この中間報告をもとに広く御意見をいただきながら、さらに検討を深めていただきたいと思います。その後の最終提言を受けまして、県としての明確な判断をお示しします。 次に、高知短期大学の社会的な役割は終わっているのではないかとのお尋ねがありました。高知短期大学は、働きながら学べる夜間の短大として法学系や経済・経営系などを中心に高等教育の場を提供してきましたし、高知県庁にも数多くの卒業生がおります。しかし、全国的に短期大学への進学者が急激に減少しています中で、高知短期大学でも平成8年度以降は志願者と合格者の数がほぼ同数となっていますし、入学時にアルバイトも含めて職についている学生の割合は50%を下回っています。こうしたことから検討委員会からは、これまでのような地域の産業、経済や行政を支える社会人への高等教育の場という役割は低下しているとの御意見をいただいています。一方、自分が学びたい科目のみを履修します科目等履修生が年々増加している状況からもわかりますように、生涯学習の場としての役割が大きくなってきています。 また、検討委員会からは、職業に必要な専門的な知識や技術の向上など多様な社会人のニーズに夜間の短大として対応することには限界があるので、教育の高度化と多様化を検討する必要があるといった御意見もいただきました。これらのことから、中間報告では、高知短期大学を廃止するかわりに、地域の経済や行政を担う専門的な人材を養成するための社会科学系の学部を創設する、また、高知短期大学がこれまで果たしてきた勤労者教育や生涯学習の役割は新設の学部でさらに発展させるという方向性が明確に打ち出されています。このため、今後は、これまで高知短期大学が果たしてきました機能をどのような形で発展させていけばよいのかといった議論を深めていきたいと思います。 次に、他の大学と連携をした生涯教育への取り組みについてお尋ねがありました。地域への貢献は、教育や研究と並んで、大学に課せられた大きな使命の一つです。このため、高知女子大学や高知短期大学でも、県民の皆様を対象にした公開講座や社会人のリカレント教育を実施してきました。一方、社会の進展とともに、地域の方々が学びたいと思う内容も多様に、また高度なものになってきています。このため、今後は、それぞれの大学の個別な活動にとどまらず、高知大学や高知工科大学など県内の他の高等教育機関とも連携をしまして、総合力を発揮できるような取り組みも検討をしていきたいと思います。 続いて、観光振興では独自の取り組みだけでなく四国4県での取り組みが必要ではないかとのお尋ねがありました。昨年、四国の4県とJR四国で組織します四国観光立県推進協議会が、大手の旅行会社とタイアップをして四国を目的地としました旅行キャンペーンを行いましたが、その結果、関東以北からの観光客が大幅に伸びたとお聞きしています。このように、全国レベルで見ますと四国は一つの地域としてとらえられていますので、それぞれの県だけではまだまだブランド力が弱いのが現状です。このため、各県の知名度を上げていきますためには、まず4県が一緒になって四国への旅のニーズを高めました上、その結果として各県への観光客の拡大を図っていくといった戦略をとる必要があると考えています。 また、外国人観光客の誘致も大きな課題ですので、4県が連携をしたモデルコースを韓国の旅行会社に提案しますなど、この面でも四国の4県が共同して取り組んでいくことにしています。あわせまして、本県としましても独自の誘致活動や受け入れ体制の向上に取り組みますことで、地域間の競争に勝ち抜けますよう努めていきます。 次に、観光立県に向けました基本的な考え方についてお尋ねがありました。観光立県を実現していきますためには、まず自然や文化、それに歴史などの観光資源に付加価値をつけることで魅力のあるものにしなければいけませんし、本県を訪れてくださる観光客の満足度を高めるためには、おもてなしの心を醸成していくことが重要です。また、交通体系などの受け入れ体制の整備や戦略的な誘致活動に加えまして、今後は各地域で観光に着目をしたまちづくりに取り組んでいただくことも大切です。こうしたことから、来年度に策定します観光ビジョンではそれぞれの地域を売り出すために十分に知恵を絞っていきたいと思いますが、あわせまして、この作業を通して県民の皆様一人一人が皆観光の担い手だといった県民運動的な盛り上がりをつくっていければと考えています。 次に、今後の県立図書館のあり方についてお尋ねがありました。このことに関しましては、先月、高知県社会教育委員会から県立図書館の今後のあり方についての報告をいただいたばかりですが、これをもとに来年度には、県庁内に部局を超えたメンバーで構成します検討会を設置しまして、全庁的な視点から今後の県立図書館のあるべき姿や果たすべき機能と役割を検討することにしています。一方、民間でも経済界の方々を中心に、今後の県立図書館のあり方について勉強会を組織する動きがあるとお聞きしていますので、官民での意見交換をしながら、21世紀の社会づくりに対応できますような県立図書館の姿を探っていきたいと思います。 また、そこでは、従来型の本を読んだり貸し出したりする機能だけでなく、産業振興や雇用のこと、またはお年寄りの福祉や子育てのことなど、これからの時代の要請にこたえられる情報センターの機能も大きなテーマになると思いますし、従来型の図書館の機能の中でも市町村立のそれとは違った県としての役割が検討されなければならないと思います。図書館は、御質問にありました生涯学習の視点でも、また高知市の中心部などのまちづくりの視点でも重要な存在ですので、財政的には容易に身動きのできない時代にどのような手法があり得るのかをよく考えていきたいと思います。 私からは以上です。   (副知事吉良史子君登壇) ◎副知事(吉良史子君) 西森議員の御質問にお答えをいたしたいと思います。 その前に、西森議員のお言葉をいただきました。就任をいたしまして2年を過ぎたところでありますが、何一つ目に見えないというお言葉を真摯に受けとめたいと思います。これまで私は、市町村職員として勤めてまいりましたので、まずは各市町村にできるだけ出向き、中山間対策への御意見、思い、また元気応援団長の激励、そして間伐促進依頼を初め産廃の地域への説明会、また競馬への激励など、私なりにできる限り現場に出向き、事務処理の合間を見ながらそのような行動で足を運んできたところでございますが、行き届かなかった点、多々あると思います。いただきましたお言葉は胸にいたしまして、一層の努力をいたしてまいりたいと考えております。どうか一層の御指導を賜りますようお願い申し上げます。 まず、中山間総合対策本部長としての取り組みについてのお尋ねがございました。私は、就任当初から、県土の8割を占める中山間地域が元気にならなければ高知県の発展はないという強い思いを持って中山間対策に臨んでまいりました。これまで、私自身が中山間総合対策本部員とともに地域にお伺いをいたしまして住民の方々と直接意見を交換する中で、総合補助金の中に集落の維持・再生のための活動を支援する制度の創設や、鳥獣対策の窓口を一元化した組織の創設などに取り組んでまいりました。 また、住民の皆様や市町村がみずからの地域をよくしていこうという自主的な取り組みが何よりも大切ですので、職員みずからが地域の課題やニーズを踏まえまして地域の方々とともに地域づくりに取り組むため、今年度から県内の7つのブロックに7人の地域の元気応援団長を派遣いたしました。これまでの活動を通じまして、住民の皆さんがみずからの地域を再生するプランづくりや集落道を維持していくための仕組みづくり、地域の資源を生かした都市との交流など、住民の皆さんの具体的な活動が芽生えてきています。こうした活動をより地域に軸足を置いたものとしていくため、来年度から中山間総合対策本部に地域部会を設けるとともに、50人の職員を地域に派遣いたしまして、住民の皆様のニーズにきめ細かく対応する中で中山間地域の活性化に取り組んでいきたいというように考えております。 続きまして、今の県政への取り組みについてのお尋ねがありました。今後、三位一体の改革に伴います財政的な制約が強まります中で、地方分権も進んでまいりますので、常に県民の皆様のための県政ということを念頭に置きながら、政策の重点化や効果的な政策展開に向けて創意と工夫を凝らしていかなければならないと考えています。また、行財政改革を着実に進めますとともに、市町村や県民の皆様と対話を重ねる中で、お互いの役割分担と協力をしながら今後の取り組みを進めていくことが重要であると考えます。このためにも、県庁全体、そして県職員の一人一人がこれまでの仕事の進め方を見直し、徹底して県民に向き合う組織に変わっていく、言いかえれば、地域の住民の方々や市町村の声に耳を傾け、ともに現場で活動をしていくという意識と姿勢を持つことが大切であると思います。こうしたことを、部局の枠を超えスピード感を持って取り組んでいけるよう努力をいたしたいと考えています。 次に、三位一体の改革に対する認識についての御質問にお答えいたします。現在の地方の行財政の制度は、いわゆる地方分権一括法などによります見直しが進んだとはいえ、いまだに国が法令などによって地方の役割を詳細かつ画一的に定めています。このため、規模の小さな町村では、1人の職員が国庫補助の申請など多くの書類の作成や報告の業務に追われているのが実態です。三位一体の改革の本来の目的は、こうした国のさまざまな縛りを取り除くと同時に、財源も地方に移していくことです。これが実現しますと、市町村の現場でも、みずからがこれまで以上に責任を持った、より住民に目を向けた行政サービスが行われるようになりますし、効率化も一層進むものと思います。 また、住民の方々にとりましても、地域の課題は地域で責任を持って解決できる仕組みになりますことで、行政への参加の機運も高まりますし、ひいては地域の元気にもつながっていくものと考えています。しかしながら、今回明らかになりました改革の内容は、こうした理想に向けた第一歩というよりは、単に地方交付税を通じました財源保障を切り下げてきたという側面が強いと思います。県財政はもちろんですが、市町村の状況を考えましても、このような一方的な進め方は決して容認できるものではありませんので、今後、県を挙げて、議会の皆様のお力もいただきながら、本来の改革が実現されますよう主張してまいりたいと思います。 次に、県と市町村の連携に関するお尋ねがございました。村職員時代においても、県との連携のもとで行政運営を行ってまいりましたし、就任後も、県民の皆様への行政サービスを提供していく上で県と市町村のパートナーシップは不可欠であり、それなくしてよりよい地域づくりはできないという思いで取り組んでまいりました。県と市町村の職員が連携をとるべきだという思いは、共通の認識だと思います。 ただ、今後の連携のあり方としては、役所間はもちろんですけれども、より一層住民に軸足を置いたものにしていく必要があると考えます。このため、例えば中山間地域対策の一環としましては、平成14年度から、それぞれの市町村と県の若手職員同士の意見交換会の実施や、特定の地域に滞在して地域づくりに関する議論を行うといった取り組みも行っております。また、来年度には50名の職員を県内に配置して、地域と一体となって住民力を生かした地域づくりに取り組むこととしております。こうした取り組みを進めていく中で、県と市町村との連携をより深めていくことが重要と考えております。 次に、県職員の政策の企画立案についてお尋ねがありました。昨日、江渕議員に知事からお答えをいたしましたように、外部の方で構成する委員会や検討会などは、県の内部の議論だけではなかなか考えの及ばない視点での意見や提言をいただくために必要に応じて設置をしており、これらの会で出されました意見や提言を参考にしながら県として主体的に政策の立案や事業の企画を行っております。政策の企画立案ということでいえば、例えば平成19年度に向けた行政経営の方針も、政策推進担当のセクションと各部局の企画課がその役割を果たしながら、三役と各部局長などとの政策協議を行い、取りまとめたものでございます。 次に、今後の財政運営についてお尋ねがありました。これまでにも高知県は、他県に先駆けまして財政構造改革に取り組みますことで、お話にありました職員の大量退職や公債費の負担などに備えてきました。しかし、今回明らかになりました地方交付税などの水準の大幅な切り下げは、当時の想定には全くなかったものですし、深刻な問題と受けとめています。こうした深刻な財政状況について、職員にも危機感を持つよう徹底してまいりますとともに、現在進めています公社等の外郭団体や職員の定数の見直し、さらには予算に頼らない、人と知恵を生かした仕事への意識の転換など、引き続き改革に取り組んでいきます。 また、税収の面では、徴税の徹底はもちろんですが、産業の育成など県民所得の向上や税収の増加につながりますような分野に政策の重点化を図っていきますことで、自主財源を増加させるよう努めてまいりたいと思います。ただ、一方で、小さな村で私も予算編成に長年携わってまいりましたが、地方交付税の果たしている役割の大きさは身をもって実感をいたしております。地方交付税に偏った改革にならないよう、その重要性を広く一般の方々にも理解していただく努力をしなくてはならないと考えております。 次に、職員の意識改革に関するお尋ねがございました。私は、日々の仕事を通じて職員と接する中で、多くの職員が県庁にとってのお客様はだれかということを意識して仕事をしていると感じていますし、地域の方々からも職員の仕事ぶりについてそのような評価をいただいていますので、意識改革は進んでいると感じています。また、先月、地域支援員に応募した31名の職員一人一人と面談をさせていただいたところでございますが、その思いを一層強くした思いでございます。 続きまして、次に県の組織が肥大化しているとのお尋ねがありました。県の行政組織は、簡素で効率的な執行体制を基本に、これまで県民の皆様のニーズやその時々の行政課題に迅速、的確に対応できますように見直しを行ってきました。昨年の組織改正では、本庁の課室規模の見直しを行い、課室の数はふえましたが、これは規模を小さくすることや課長補佐をなくすことで責任の明確化や仕事のスピードアップを図ったものであります。組織のスリム化につきましては、平成6年度に行政改革検討委員会の提言を受けて以来、組織の見直しや定数の適正化に取り組み、平成6年度からこれまでに知事部局で580人、約12%の削減となるなど、これまでの取り組みについて一定の評価をいただけるのではないかと考えております。 お答えといたします。   (海洋局長松村勝喜君登壇) ◎海洋局長(松村勝喜君) 近海かつお一本釣漁業振興対策事業予算につきまして、十分な説明努力がなされていないのではないかとのお尋ねがありました。 少し長くなりますが、この間の経緯につきまして御説明をさせていただきたいと思います。まず、そもそもこの事業を検討し始めましたのは、水産試験場の調査船土佐丸の廃止にかわります新しい振興策を関係者と協議する場でございました。平成14年の秋に高知かつお一本釣組合、県漁連、関係金融機関などとの意見交換の中で、国がマグロ漁業を対象にリース事業を開始した事例を参考に、県の単独事業としてリース事業を組み立てることが唯一最善の方策として浮かび上がりました。それを受けまして、平成15年度に入って、県、県漁連、農林公庫、農林中金、大学教授、あるいは水産に詳しい経営コンサルタントなどで構成をいたします近海かつお一本釣漁業振興策検討委員会を立ち上げまして、13回の部会と合わせて4回の委員会を開催し、昨年、平成15年10月に今回のリース事業の最終案に至ったものでございます。 その後は、関係者への周知を図るため、県漁連の常任幹部への説明に加えまして、非常勤役員の皆さんへの説明を行いたい旨、申し入れをいたしましたが、その機会をいただけず、県漁連の非常勤役員の皆さんへの説明ができましたのは役員会の当日、同時に私ども海洋局の知事査定の前日でございましたが、ことし1月29日となりました。当日の県漁連の役員会では、多額のリスク債権を長期にわたって管理する必要がある重要な事業の判断を、事前の説明もなく、にわかには判断できないと、こういう声が多く、継続検討となったとお伺いをしております。 その直後の1月31日に、役員会の意見を取りまとめないまま会長が突然辞表を提出し、その翌々日の2月2日に理事会が辞表を受理、辞任に至ったものでございます。県漁連の中で非常勤の役員に対する説明がなされていないということがわかりましたので、会長の辞任後、私どもの方から県漁連の非常勤の役員に対して、これまでの検討の経緯やリスクの回避策を初めといたします事業の組み立てなどについて直接詳細な説明を行うとともに、数々の疑問にもお答えをし、判断材料としてきちんと理解をしていただくための手だてを尽くしたものでございます。 以上申し上げましたとおり、この事業の検討は当初から県漁連の幹部職員にも参加をしてもらい、検討の節目節目で会長にも報告をされておりましたこともあわせて考えますと、私どもとしましては、それなりの説明努力を果たしてきたと考えております。 以上でございます。   (商工労働部長起塚昌明君登壇) ◎商工労働部長(起塚昌明君) 西森議員の御質問にお答えいたします。 まず、観光振興についての御質問の中で、観光入り込み客数の調査方法と調査結果につきましてお尋ねがございました。高知県では、昭和45年の調査開始以来、鉄道などの公共交通と有料道路から得られるデータをもとに交通手段別による推計を行ってきました。しかし、本県の入り込み客数の約70%を占める乗用車による入り込み客数の推計は、高知自動車道や浦戸大橋などの有料道路の通行量を利用していたことから、近年有料道路の無料化や高速道路のインターの増加などによって実態にそぐわない推計方法になってまいりました。一方、国におきましても、御指摘のとおり統一基準による推計手法の普及に努めておりますが、県ごとの事情によりそのまま適用することが困難であるため、本県におきましても新しい推計手法として国の方法をできるだけ取り入れながら、従来手法とあわせて試行的に新手法で推計を行ってまいりました。 新しい推計手法でも交通手段別による推計を基本としておりますが、データの入手先の見直しと県外観光客の割合を推計するための係数の見直しを行っており、県外観光客に対するアンケート調査地点も3カ所から10カ所にふやすなど、その精度を上げるための手法を研究してまいりました。新手法で推計しますと、516万人でありました平成14年における県外観光客の入り込み数は、新手法では約318万人と推計されます。また、平成15年では従来手法、新手法ともに前年に比べて約1%減少し、従来手法で約510万人、新手法では約315万人と推計されます。今後は、調査の精度を高めるとともに、来年からは調査方式を実態により近いと思われる新手法に切りかえたいと考えております。 次に、高度化資金の融資における連帯保証人についての御質問がございました。まず、動産登記制度の導入についてお尋ねがございました。国における動産登記制度の導入の動きは、主に中小企業者の資金調達の円滑化を図るため、不動産以外の財産である在庫商品や原材料などの動産を活用した担保制度を整備しようとするものです。その目的としましては、不動産担保や個人保証にかわる担保制度を整備することで、これらに過度に依存しない金融環境を整備することでございます。したがいまして、この制度の創設は、不動産担保や連帯保証人の提供が厳しい中小企業者にとりましては、2年前に導入されました売り掛け債権を担保とする融資の保証制度と同様に、運転資金の調達については役に立つものと考えております。 続きまして、債権者が自己破産した場合の債権保全策と連帯保証人に対する保証債務の履行についてお尋ねがございました。高度化資金の債権保全につきましては、制度上、貸付対象物件に第1順位で抵当権を設定するとともに、連帯保証人として貸付先の経営上責任ある役員等を2名以上求めることとなっております。お尋ねの債務者が自己破産した場合には、裁判所が選任した破産管財人が債務者の全財産をもって破産財団を形成し、裁判所の許可を得てその財産を換金した後、債権者に配当することになります。また、債務者から債権の全額を回収することが困難な場合には、連帯保証人の資力を調査した上で、それぞれの償還能力に応じて償還を求めていくことになります。 しかしながら、債務者が破産を申し立てる際には、債務者はもちろんのこと、その役員である連帯保証人も償還能力が著しく低下している場合が多く、一般的には債権の回収が困難となり、債権の保全ができないという問題が生じてまいります。このほか、貸し付け以降、条件変更等により償還額を減額するなどの緩和措置を講じている貸付先は、役員が交代した場合でも新たな役員が連帯保証人になることに同意しない場合が多く、貸付先において連帯保証人の変更ができないという問題も生じてまいります。このように、連帯保証人制度には種々の課題があることから、高度化資金を所管する中小企業総合事業団におきましても、その見直しを始めていると伺っております。 以上でございます。   (教育委員長宮地彌典君登壇) ◎教育委員長(宮地彌典君) 西森議員の新しい進化型県立図書館の役割はどうあるべきかとのお尋ねと、県立図書館と高知市民図書館を一緒に整備してはどうかとのお尋ねにあわせてお答えをいたします。 県立図書館は、老朽化に伴いまして、蔵書の量、検索機能などにおいて全国でも最低水準の図書館に入ると専門家から指摘をされております。これに対応するべく高知県教育委員会では、平成6年度から事務局内に専任の班を設置しまして、新県立図書館整備構想を策定するなど取り組んでまいりましたが、諸事情から新県立図書館は実現できませんでした。その後、文部科学省は平成13年7月に、公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準を定めて施行いたしました。これを受けまして、県教育委員会では平成14年8月に高知県社会教育委員会図書館専門部会を設け、図書館情報学が専門である昭和女子大学の大串夏身教授を部会長に迎えて県立図書館の今後のあり方について調査と研究を重ねてまいりましたところ、先日最終報告の提出を受けました。この報告書は、今後の社会の進展を見通した上で、県立図書館のあり方について述べております。その前文を引用して要約を御紹介いたします。 「これからの我が国の社会は、知識と情報が今まで以上に重要な社会の構成要素となるものと思われます。したがって、知識と情報に深くかかわる図書館は新しい役割、任務を担うことになります。図書館は知識創造の基盤となる施設として、高知県民の課題解決を支援するとともに、ただ本を借りにくるだけの場所ではなく、仲間と集う場所、親子でくつろぐことができる場所を念頭に置く必要があります」と述べております。この報告書は、今後の社会を展望して、知識、情報が重要な要素になってくると主張していますが、これは1985年に堺屋太一氏がその著書「知価革命」--知識の価値というような意味で書いている知価です、で予見したこと、また2002年にP・F・ドラッカー氏があらわした「ネクスト・ソサエティ」でも同様の考えを強く述べていることと一致しております。 こうした新しい図書館像を頭に描きますと、立地形態として郊外型よりも都市型が浮かんでまいりますし、昨今衰勢が強く懸念をされております県都中心部の状況を考えあわせまして、大串図書館部会長と民間の専門分野の方々に力をおかりしまして、はりまや橋の高知西武百貨店跡地を県立図書館として整備する素案をまとめまして、本年1月に橋本知事へプレゼンテーションを行いました。その図書館の機能は、さきに述べた図書館専門部会の報告書と一致しております。 これからの社会を先導する知識と情報を提供できるメディアは、図書というプリントメディアばかりではなく、今はインターネットやオンラインサービス、DVDといった電子メディアへと広がってまいりました。したがいまして、今後の図書館は図書を蔵書するだけではなく、多種類のメディアへアクセスできる機能を持つ必要があります。先進事例として、仙台市では既に図書館の呼称をメディアテーク、メディアをテークするという意味だと思いますが、図書館の呼称をメディアテークと改めて機能の充実を図っております。 次に、はりまや橋の新施設の形態は、土地が民有地ですので民間と県が共同で開発を行うこととして、図書館と商業施設の併設型を提案いたしました。官民の共同開発ができた事例は全国各地に多くありますが、近県では高松市のサンポート高松シンボルタワーが間もなく開業いたします。新図書館の運営につきましては、民間委託を多く導入し、ローコスト化、サービスの向上を目指す提案をいたしました。こうした案を選択肢の一つとして、地域間競争のエンジン役とも言える県立図書館を一日でも早く充実した機能に整備したいと希望し、努力を重ねているところです。 最後に、県立図書館と高知市民図書館を一緒に整備してはどうかと思うが考えを聞くという御質問にお答えいたします。人口規模が決して大きくない高知県、高知市ですので、行政効率の観点から県立と市民図書館を同一施設内で一緒に整備する提案を昨年8月に県と市のトップ会談で話し合っていただきましたし、昨年12月には県教育委員会からも高知市に御相談をいたしましたが、県立図書館と市民図書館はこれまで受け持ってきた役割が違うことから、その意向はないとお聞きしておりますが、県としましては継続して高知市と話し合いをしていきたいと考えております。 以上でございます。   (13番西森潮三君「答弁漏れ。近海カツオは単年度事業かということを聞きたい。その答弁がない」と言う) ◎海洋局長(松村勝喜君) 失礼しました。 私どもは、今の時点で単年度で2隻、最終的には8隻程度のリース事業にしたいと、そういう考え方でございます。 ◆13番(西森潮三君) 時間がありませんから、いろいろと申し上げたいんですが、副知事、今この時期ですから、あなたが事務方のトップとして仕切ってやるという仕事は極めて重大です。したがって、今決意のほども示していただきましたが、どうぞ、いろいろと課題がある、全国の中でも最も厳しい財政状況の中にありますから、大いに頑張って期待にこたえていただきたいと思います。 それから、全体にこれだけの緊縮財政の中で、県民からはいろんなことをやってほしいと、しかしそれもほとんどが財政の中で抑えられる、各部局とも抑えられるという今実態ですよ。ですから、私はせめて金がないときには知恵を出してほしいと。県民の、民間の力によって発展策を講ずるという知恵を出してほしい。例えば、観光に特化してみても、四国4県で、例えば韓国でもどこでもいいんですが、四国へ来る場合にはビザは要りませんよと、そういう特区申請をこの際、全国で外国の誘致合戦をしていかなきゃいかん中で、そういう方法をとるとか、いろいろ知恵を出せば振興策があると思うんです。全体的に今、高知県は後ろ向きだ、県庁は。暗い。それは無理からん背景もありますが、もう少し、要は県民のためにどういうふうに皆さんが働いて機能して、県勢を発展させるか。県民が所得を得、企業が収益を上げて税金を納めてくれなかったら、もらうようにしなかったら、高知県の財政は好転しないんですよ。だから、そういうことに全英知を結集して頑張っていただきたいとお願いをしておきます。 それから、今の近海カツオの事業ですが、行く行く8隻だということですから、ますます漁連のリスクは大きいわけですよ。今、十分説明をしたけれど下へおろしてもらえなかったと言うけれども、話を聞いてみると、漁連とか基金とか信漁連とかと話をして、これはリスクが大きいからいかん、1年待ってほしいと、それを強引に県が見切り発車して予算計上しているじゃないですか。なぜこんな形で予算を計上し、議会へ諮るのかということを調べてみると、結局、今年やらなかったら、来年以降になったら、財政課から海洋局の予算をぼんと減らされる、だから今までやってきた事業を確保すると。これは、土佐丸はもうなくなる、そうすれば予算が縮小されるわけですから、それを確保するためにしゃにむに予算計上しておるというのが一つの今回のあれですよ。だから、これは漁民のためじゃない。自分の組織、エリアを守るために漁連の会長に辞職を強いてまでこういうことをするというのは、行政のやることとして本末転倒しておる。 厳しく私は反省を求めるし、なぜ来年に延ばすことができないのか。そういう要請があっているわけですから、十分説明していただきたい。そのことについてお答えいただきたい。 ◎海洋局長(松村勝喜君) 私は、予算要求の前段と知事査定の前段で2回、会長さんとひざを交えて協議をした経緯がございます。少なくとも、その2回の私と会長さんとの話し合いの中では、1年待ってほしいという明確な意思表示はございませんでした。 ○副議長(岡崎俊一君) 暫時休憩いたします。   午後2時31分休憩---------------------------------------   午後2時52分再開 ○議長(溝渕健夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。 22番佐竹紀夫君。   (22番佐竹紀夫君登壇) ◆22番(佐竹紀夫君) 一昨年の12月県議会以来、久々に登壇の機会を賜りましたので、21県政会から、当面する県政課題の幾つかにつきまして重複をできるだけ避けながらお尋ねをしてまいります。 まず初めに、乳幼児医療費の助成拡充についてであります。この問題は、平成12年「清流会・公明」時代、この場から強く要請してきた結果として、翌13年度から入院費については就学前の子供を対象に助成が拡大をされましたが、通院医療費につきましては、いまだ実施されておりません。国においては昨年7月、急速な少子化の進行を踏まえ、次世代の社会を担う子供が健やかに生まれ、かつ育成される環境の整備を図ることを目的に、次世代育成支援対策推進法を施行されたところであります。これを踏まえ16年度、市町村及び都道府県では、法の理念にのっとり、地域における子育て支援や親子の健康の確保、教育環境の整備、仕事と家庭の両立などについて、その目標、目標達成のために講ずる措置の内容などを明らかにした行動計画を策定することと承知をいたしております。 この次世代育成支援対策推進法におきましても、保護者が子育てについての第一義的な責任を有するということは基本認識とされておりますように、我が子の医療費についてはもちろん親が一定額を負担するのは当然であり、財政が厳しい中、すべての医療費を公的に負担すべきと申し上げるつもりはありません。しかし、子育て中の家庭において、子供が病気をするということは大変不安なことでもあり、またその医療費は言うまでもなく経済的に大きな負担となるものであります。特に、所得の低い家庭においては、たとえ我が子の医療費とはいえ、少々なら病院に連れていくのは控えたいと思うことも多々あるとお聞きしますし、それをちゅうちょしたことが大きな病気の引き金になることも考えられるわけであります。 少なくなっていく子供たちを大切に育てることは、今を生きる私たちの責務ですし、また安心して子供を産み育てられる環境づくりに向け幼児、特に3歳児までの通院にかかる医療費について無料化への助成に踏み切る必要性に立ちまして、大阪府もこの4月から実施することを決定したようですから、本県を除く全都道府県で3歳児まで、また20都県では4歳児までの助成を実施している状況にあります。 所得制限方式など給付助成の方法については、さまざまな角度から検討する期間は必要と思われますので、遅くとも17年度からは3歳児までの通院医療費助成について実施されるよう知事の御英断を求めつつ、御決意をお伺いしておきます。 次に、観光振興問題に関してお伺いします。今し方、西森議員からお話のありました国の観光立国行動計画、これは2010年までに訪日外国人旅行者を現在の500万人から1,000万人に倍増するという具体的数値目標を掲げ、一地域一観光や、ようこそジャパンをキーワードに、各地域の魅力の確立やビジット・ジャパン・キャンペーンを開始いたしております。こうした政府の取り組みを受け、全国の地方自治体においてもさまざまなインバウンドな取り組みが始まっていると聞いておりますが、四国の場合は従来から、お話にもありました四国観光立県推進協議会において4県が協力しながら取り組まれているのであります。 知事から総括的な御答弁がありましたが、四国観光立県推進協議会では、現状の約7万人程度と言われている外国人旅行者の増加対策として、具体的にいかなるテーマ、いかなる魅力の確立、戦略を駆使して4県共同で事業の推進を図っていかれるのか。また、1万5,000人から2万人レベルにある本県の外国人旅行者誘致に向けた受け入れ環境づくりについては、一昨日の知事答弁で一定理解をいたしましたが、4県共同事業に本県のどのような観光資源、商品を組み込んでいかれるのか、あわせ商工労働部長にお伺いをいたします。 去る2月下旬、待望の高知龍馬空港2,500メートル滑走路が竣工し、大型便の就航が可能となり、4月には米国西海岸へのチャーター便も運航されることとなっています。いよいよ本県も本格的な国際観光への取り組みが必要となってまいりましたが、本県の場合は海外への定期便が就航しておりませんので、外国人観光客の誘客には、定期航路を持っている高松や松山などの両県とも連携をした取り組みや一定の支援策が必要だと考えます。 例えば、韓国や中国、台湾などのマーケットに対し、四国あるいは本県の観光資源を外国のエージェントに商品化してもらう、ゴルフツアーを誘致するなど、巨費を投入した立派な滑走路を生かす戦略を期待するものでありますが、チャーター便の誘致も含めどう取り組んでいかれるのか、伺っておきます。 また、国際観光という観点からお尋ねしておきますが、昨年開設された上海事務所や、シンガポール事務所を最大限に活用し、現地の旅行エージェントとタイアップした誘客に取り組むことが必要不可欠であります。上海事務所やシンガポール事務所は、商工業者への支援、貿易の推進などを主な業務としておられますが、さらに観光業務を行うことこそ本県活性化への貢献度が高められるわけで、このような多様な活動を展開するためには国際感覚と情熱のある県職員を各事務所に配置すべきと、常々提言してきたところであります。16年度より実現の見通しにあり、両事務所の存在感を高めるためにも大いに期待をするものであります。 約八千八百余万円の委託費を生かした観光誘致の活動拠点とすべきと思いますが、そうなり得るのか、所見と対応方針を伺っておきます。 次に、観光振興ビジョンの策定についてお伺いをいたします。観光振興については、これまで平成6年度に策定をされた観光アクションプランに沿って600万観光を目指してきましたが、既に10年を経過し、時代背景や観光客のニーズなどに大きな変化が生じております。これほど観光振興が重要だと叫ばれて、県も大きな予算を講じていながら、これからの観光振興をどのような方針で推進していくのかの新たなビジョンがないというのは、だれしも寂しい限りだと考えておりましたところ、来年度予算においてやっとビジョン策定経費が計上をされております。 そこで、このビジョン策定の基本方針や骨格、県民参加の手法、策定までのスケジュールはどう考えているのか。16年度には誇り得るビジョンが策定されるものと理解してよいか。また、この観光ビジョンを観光立県に向けた県民運動にどのような手法でつなげていくお考えか、お伺いをしておきます。 この際、昨年9月県議会の予算委員会における私の質問に対する答弁を検証する視点から、2点お伺いをしておきます。本県の基幹産業である観光振興の拠点である高知県観光コンベンション協会のたたずまいは、他県のそれと比較して余りにも手狭で立地環境も見劣りをすることから、早期の移転と組織強化について促してきたところでありますが、新年度を迎えるに当たってどう対処してきたか。観光誘致の戦略展開スタッフとして日本旅行、全日空、近畿日本ツーリストに人材の派遣要請をしてきたと聞くが、即戦力としていかなる新たな役割分担を期待しているのか。この点は、会長である知事にお伺いをいたします。 この項最後に、3月末で運営停止を決定した財団法人グリーンピア土佐横浪に関連して、理事長である副知事にお尋ねをいたしておきます。昭和62年10月開業以来、連年の赤字を重ね、本年度末で特別会計の累積債務は11億八百余万円となるわけですが、このほか累積債務の利子、減価償却費としてこれまで2億円を超える負担を行っているわけであります。 当基地を須崎市が16年度前半にも購入することになった今、財団の存続意義はなくなったのであり、去る2月12日、県及び金融機関に対し債権放棄を要請した経緯を踏まえ、粘り強く理解を得る交渉努力をすべきと思うが、どのように対応しているのか。理事長をトップとした心血を注いだ努力が必要だと考えますので、財団の解散スケジュールとあわせ、その決意をお伺いいたします。 また、国は13年度末に運営費を賄えない基地の早期廃止を閣議決定したところでありまして、財団は11年度から13年度までの3カ年を再建期間とし、この再建計画が13年度に達成されない場合、基地の運営を中止する考えでおりますと知事がこの議場で答弁をしてきたあげく、13年度末には計画の達成は困難となっておりました。 須崎市には他の町村に比べ宿泊施設や民泊の受け皿もありながら、高知国体を理由に県民負担を増大させてきた経営責任と、十数億円を投入して取得した約50ヘクタールに及ぶ用地など残余財産の厳正な整理方針について所見を伺っておきたいと思います。 県がかつて策定した浦ノ内湾地域振興活性化ビジョンでは、この地域の恵まれた自然環境を生かし土佐観光のメッカにとその方向が示され、この施設の運営に期待を寄せてきた一人であります。昨年の夏も連日満室で、地元の地産地消の味に親しみながら海に山にと心をいやし、新たな交流も活発になってきたやさきの閉鎖ですが、ホテル機能だけは一定存続されるよう地元の意向も大切にしながらの対応を強く要請しておきたいのであります。 また、観光問題に関連いたしまして、いま二点お尋ねをいたします。高知龍馬空港は、昭和62年の計画浮上以来17年ぶりに、待望の2,500メートル滑走路が実現をいたしました。再拡張に必要な空港本体用地21.6ヘクタール、地権者72世帯におかれては優良農地の提供を強いられた一方、用地買収費を含め総事業費304億円の巨費を投じてきた成果であります。ですから、この2,500メートル滑走路の利活用により、県勢の浮揚につなげていくことは、県政にとって重要な課題と認識しなければなりません。企画振興部長は、昨年6月県議会において我が会派の質問に答えて、関係部局や経済団体などと連携をし、拡張される空港を生かすさまざまな取り組みを進めていきますと明言した上、国際チャーター便などの活用、2つには修学旅行を初めとした大型の観光客の誘致、3つには増強される輸送能力を生かした産業振興策の展開について強調されました。 この三本柱についてどういった議論がなされ、いかなる戦略が構築されているのか、伺っておきます。 また、高知-伊丹線へのプロペラ機、つまりダッシュエイト400型が昨年11月から順次導入をされてきましたが、「ことし2月には便数を倍増させる計画であり、大幅な増便によって最大で5時間以上の運航間隔がおおむね1時間に1便程度となり、利便性が飛躍的に向上することとなる」と県民に期待を持たせたわけですが、エアーニッポンネットワーク社にこの計画を実現させることができたのか。高知-関空線が廃止を余儀なくされる今、伊丹線は関西圏との交流促進につながる主要路線でありますので、確認をいたしつつお尋ねをいたしておきます。 次に、半導体新工場の着工時期について伺います。昨年4月に三菱電機と日立製作所が合併して株式会社ルネサステクノロジとしてスタートして1年になりますが、当社は茨城県に新工場を建設中と聞いております。本県の半導体新工場は、当初13年度着工の予定でありましたが、13年夏には14年度へと1年程度延期を表明されたところであります。半導体の収益の改善や体質強化を優先することが先決との判断のようでありますが、半導体の需要、市況を見ながら時期などを検討するということでありました。 最先端のメモリーやシステムLSI--大規模集積回路の量産計画を前提に、県は12年度香南工業用水道を完成させたところであり、公庫債、政府債合わせて23億300万円を投入して約束どおり8,000トンの工業用水を確保しており、これまでにその金利だけでも実に1億四千余万円を支払い、元金の返還も今年度から支払わなければなりません。若者の定着という観点からもその存在は貴重であり、現在の高知工場などの従業員一千六十余名のほとんどが県内雇用ということからも、また工業出荷額700億円レベルという点から考えましても全力を傾注すべき課題だと思いますが、決して粘り強い要請が繰り返し行われているとは聞かないのであります。 そこで伺いますが、世界的に半導体市況は上向きのようであります。新工場の早期着工に向けた対応方針とその見通しについて知事にお尋ねをいたします。 次に、県産材利活用の推進についてお伺いをいたします。本県は、御承知のように県土の84%を森林が占める全国屈指の森林県ですし、本県の森林の蓄積量は約1億2,000万立方メートルと森林資源は増加、充実してきており、これまで育ててきた木材の利活用が課題になって久しいのであります。県内で生産される素材生産量は、国有林、民有林を含めて平成14年には約42万2,000立方メートルとなっていますが、森林資源の活用や林業の振興、また森林の公益的機能の増進のためには、もっともっと木材を使っていく施策の拡充が必要だと言わざるを得ません。 県では、平成7年に木の文化県構想を策定し、県民生活の中に木を定着させていく施策を進めておりまして、さらに平成12年度には木の文化県構想の県みずからの率先行動計画として木の文化県構想推進アクションプランを策定しまして、平成16年度を目標に建築物の木造化や公共事業での木材の使用などに重点的に取り組んできているわけであります。今後も手綱を緩めることなく、木材、なかんずく県産材利用に県を挙げて積極的に取り組むことを強く望むものであります。 そこで、まず木材利用の推進体制と間伐促進策に関して森林局長にお尋ねをいたします。木の文化県構想推進アクションプランの推進のため、各林業事務所ごとに林業6団体の代表と6林業事務所のスタッフで構成する地域推進連絡会が平成13年4月設置されていますが、これは木材利用の推進に当たって、地域の実情に精通した民間スタッフの知識や情報を活用しようとするものと伺っております。 この県内6組織について、これまで3年間の取り組みの実績はどうか。また、これからどういうところに重点を置いた活用を図っていかれるのか。県、市町村など公共事業を中心に民間サイドとも連携し、どう活用戦略を展開していく方針か、伺っておきます。 また、本県の森林資源の状況から、間伐の促進が緊急の課題であることは言うまでもありません。本県の森林は、間伐などの手入れが必要な3から9齢級の人工林のうち、8、9齢級の高齢林が半分以上を占めております。以前であれば、こういう山は伐採に伴う収入がありましたが、現在の木材価格や伐採後の植樹、保育費用を考えれば、間伐を繰り返して実施し、搬出、販売して収入を上げていく方法が得策だと考えられるわけであります。 したがって、県では間伐促進のために、単に切り捨て間伐ではなく搬出間伐についてどのように取り組んでいかれるのか、その支援のあり方及び活用、用途等流通対策について伺っておきたいのであります。 いま一点、高知駅の新駅舎の木造化について土木部長にお尋ねをいたします。高知駅の新駅舎のデザインを検討する駅舎景観検討委員会は、昨年7月に高知駅のデザインを大架構とすること及び木造化とすることを提案しておりました。日本有数の森林県である特色を出すことや木の文化県構想の趣旨を実現するため、本県の陸の玄関口のシンボルである高知駅舎を木造化して、FSC材など本県の良質材を全国にアピールすることが何としても必要だと考えます。高知駅を県産材で木造化することで、本県の林業の活性化を刺激し、その道筋につながっていくことが期待されるからであります。 かつての高知空港ビルの木造化構想は、建設コストや法規制などのため残念ながら実現できませんでしたが、高知駅舎の木造化は、JR四国や関係団体と十分な連携のもと県産材での木造化によるモデルを実現するまたとないチャンスであり、ぜひ検討委員会の提案に沿って全力を傾注すべきだと考えますが、県としての取り組みの考え方、御決意をお伺いいたしておきます。 次に、地産地消の推進と食糧自給率向上対策に関してお伺いをいたします。我が国の食糧自給率はカロリーベースで40%と、主要先進国の中でも最低水準にあり、消費者の90%、農家の94%が食糧供給に不安を持ち、同じく85%、90%の人々が食糧自給率を大幅に引き上げるべきだと、昨年末実施の農林水産省の意識調査でも明らかにされております。こうした状況は、BSE発生や鳥インフルエンザの蔓延、残留農薬問題などから不安を感じる人が多い結果と受けとめておりますが、農、漁業を基幹産業とする本県においても46%程度であり、やはり、食生活を根本的に見直すことが自給率の向上につながることをお互いに認識し合い、児童生徒段階から食に関する教育にしっかり取り組む必要があると考えます。 つまり、健康や生活のことを考えたその知識普及と実践以外に有効な道はないと思うが、家庭や地域と協働し、この食に関する教育にどう取り組んでいかれるのか、お考えを教育長に伺っておきます。 また、先ごろ「高知の地産地消は一歩一歩 着実に!」と題した冊子が発行されましたが、この柱となっている食農教育、食育については、子供たちと生産者との交流機会をもっと積極的につくる一方、農業や食文化への理解が深まるよう地域食材を安定的に活用する仕組みを持つことが不可欠であります。ついては、各学校、PTA、生産者の連携によるこの地域食材活用の仕組みづくりをどう確実につくり上げていくのか。いまだ小中学校の給食実施率は約68%程度のようでありますし、特に中学校では53%という状況にあります。 この向上努力とあわせ、食農教育、食育への取り組みの決意を伺っておきたいと思います。 過ぐる日、地域食材活用の仕組みづくりに熱心な管理栄養士が勤務する高知市内の病院では、健康食の提供により、好評を博しているとの実践事例に学ぶ機会がありました。県が率先して地産地消の旗振り役を果たす以上は、県市統合病院の高知医療ピーエフアイ株式会社と協議し、地元農協や生産者グループなどと連携した地産地消のモデルとなる仕組みづくりに努力すべきと思うが、どのように取り組んでいるのか。この際、健康福祉部長に伺っておきます。 最後に、新規高卒者の雇用対策などについて何点か伺います。平成14年10月の総務省による就業構造基本調査によると、本県の15歳から24歳の若者の完全失業率は18.8%、うち男子は21.8%と全国ワーストワンと報じられた記事に接し、教育改革の旗印のもとで高校は出たが一人前の社会人として巣立つことのできなかった人材の多さに、正直驚きを隠せませんでした。県内の雇用行政関係者に聞くと、本県は中小企業者が多く、特に郡部では有効求人倍率も低く、希望に沿った常用雇用につけることに困難をきわめている、学校の就職アドバイザーの方々も熱心に対応しているのだがと、苦悩をにじませておりました。 昨年末現在の県内高校生の就職希望者一千五百六十余名の内定率は、県内希望者で51.4%と半分強であり、その厳しさを実感いたしましたが、愛媛県や徳島県では5月から6月にかけて、県外求人開拓のため学校長、3年生担任教員、進路担当の教員が実績のある企業、県内出身者の存在する企業などを選定し、数日間単位で企業訪問を行い、実績を上げているのであります。お伺いいたしてみますと、昨年度の本県の県外求人数は644人、愛媛県は8,948人、徳島県は4,532人となっており、県外求人占有率は本県がお隣の両県よりも実に二十七、八ポイント低く、努力の差が歴然としているのであります。 そこで教育長に伺いますが、県教委幹部がリーダーシップを発揮し、県雇用対策本部や学校と連携した県外求人開拓になぜ全力を傾けてこなかったのか。先ほどの御答弁では県内希望者が多いといって、未就職のまま人材を放置していいはずはないわけでありますし、将来のUターンも視野に入れて検討すべきであります。少子化と言いますけれども、少子化は何も高知県だけではなくって、愛媛県も徳島県も同様ではないのかという思いがいたします。 労働市場として限界のある県内のみならず、県外求人開拓による就職支援に向けたリーダーシップと進路指導のあり方、方針について、再びお尋ねをいたしておきます。 また、新規高卒未就職者のしごと体験雇用支援事業の100名枠に対して、受講者数25名、修了採用者数21名と、せっかくの制度の活用が極めて不十分な結果となっているのであります。卒業後の未就職者への支援が置き去りにされていたのではないか。その実態と今後の対応方針を伺っておきたいのであります。 県では、緊急対策として本年度、未就職の高卒者46名を学校長の推薦により非常勤職員として1年間雇用しておりますが、配属された各課長のもとで教育を受けながら勤務してきた現在、その就職または内定者はわずか9名と聞いております。 そこでお伺いをいたしますが、県庁で1年間訓練を受けて5人に1人しか社会人として常用就職して飛び立てないのは、県における指導、支援不足のためではないか。はたまた、学校教育や個人的資質による結果と理解すればよいのか。この結果についてどう対応すべきと考えているのか、お尋ねいたします。 この制度は、16年度も引き続き、県職員の時間外手当を削減してまで七千四百余万円の予算で50名枠を確保しておりますが、このような状況では、県職員による県民サービスを犠牲にしてこの制度を実行する意義が問われることとなると思うのであります。 あわせ、商工労働部長の所見と人材育成にかける熱意、方法論について具体的に伺っておきます。 新規学卒者に限らず、公共事業の縮小に伴う建設関連企業の雇用減に対応した受け皿づくりは、過日、中内議員からも指摘したように大きな課題となっております。公経済依存度、つまり政府最終消費支出ベースで本県は約27%と、全国平均より10ポイント近く高いことを考えますと、土木部の一般公共事業、単独事業を合わせて、5年前の11年度公共事業費約897億円から来年度は437億円弱と約49%にまで減少しており、また本年度よりも17.5%減少と、雇用に与える影響はもとより税収に与える影響も多大と言わざるを得ません。県の推計によると、平成19年度までに県の公共事業が40%減、国直轄事業3%、市町村事業10%減と想定すると、約1万人の雇用機会を喪失すると試算をされているのであります。製造業の出荷額が3年連続全国最下位という本県の産業構造の脆弱さからすると、まことにお寒い限りであります。 そこで政策推進担当理事に県政運営の立場から伺いますが、雇用の絶対量の確保のためにどういった産業分野において雇用の拡大を図り、円滑な労働移動や新規就職の促進を支援していく方針であるのか。 また、県建設業協会と昨年12月来協議を重ねているようでありますが、公共事業の大幅減少に直面する業界の再編、事業転換など自助努力の行方はどういった方向で議論がなされ、県としていかなる支援を行っていく考えか、あわせてお尋ねをいたしておきます。 以上で、第1問を終わります。   (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 佐竹議員の御質問にお答えをします。 まず、乳幼児の通院医療費への助成の拡充についてお尋ねがありました。乳幼児の医療費につきましては、精神的また経済的に負担の大きい入院時の医療費を、平成13年度から就学前までに拡大して助成を行ってきました。これに対して、通院時の医療費は現在は乳児のみを対象にしていますが、年齢の引き上げを求める要望が県議会を初めたくさんの方々から寄せられています。また、御質問にもありましたように、国でも次の世代を担う子供たちが健やかに育つ環境づくりに向けまして関連の法律の整備が進められていますが、その一方で、地方にとりましては三位一体の改革の全体像が明らかにされないまま交付税だけが大きく削減されるという大変厳しい財政状況になっています。しかし、そうした中にあっても、乳幼児の医療費への助成は、子供を安心して産み育てられる地域づくりといった意味での少子化対策の一つとして必要な対策だと考えています。こうしたことから、御家庭の能力に応じて負担をしていただく仕組みなども検討しました上で、市町村の御意見も伺いながら、平成17年度中には助成の拡充に向けた見直しを行いたいと思います。 続いて、観光コンベンション協会の事務所の移転や旅行会社などからの職員の派遣についてお尋ねがありました。観光コンベンション協会は、観光客の誘致や受け入れ、さらにはPRといった事業の中心的な役割を担っています。こうした中、来年度は民間会社から3人の方を新たに派遣していただくことになっています。このうち、旅行会社の2社にはセールス活動と地域資源を生かした旅行商品づくりの経験者を、また航空会社には情報発信の経験者の派遣をお願いしています。 一方、組織の拡充に伴いまして、現在商工会館に入っています事務所が手狭になりますため、本県の観光の顔にふさわしい高知駅前のビルに新年度早々には移転するよう準備を進めています。 次に、半導体関係の新しい工場の早期着工に向けた対応の方針とその見通しについてお尋ねがありました。昨年の6月と12月にルネサステクノロジの本社を訪問しまして、半導体の景気の動向や新会社の状況などについてお話を伺いました。そのお話の中でも、新工場の建設に向けましての基本的な姿勢に変わりはないものと受けとめています。御質問の新工場の着工の見通しは、今の時点ではいつの時期にということを明確にはお答えできませんが、新工場の建設は雇用や経済効果などの面から本県の産業に大きな重みを持ちます。こうしたことから、今後さらに情報の収集を進めますほか、関係の皆さんのお力もおかりをしながら、できるだけ早く着工していただけますよう全力で取り組んでいきます。 私からは以上です。   (商工労働部長起塚昌明君登壇) ◎商工労働部長(起塚昌明君) 観光振興問題についての一連の御質問にお答えいたします。 まず、4県共同による国際観光事業の推進についてお尋ねがございました。四国への外国人旅行者の入り込み客数は全国でも最も少ないことから、4県それぞれが有する観光資源を生かして四国を一体として売り込むことが、まず強く求められていると考えております。四国観光立県推進協議会では、本年度は韓国の大手マスコミや旅行エージェントを招き、韓国の人々に好まれる旅行商品づくりのために各県の主な観光地を視察していただきました。平成16年度には、四国の知名度アップを目指して韓国の新聞にPR記事を掲載するとともに、韓国の旅行代理店の協力も得て、設定した幾つかのモデルコースを旅行商品として販売していただくことになっております。高知県分としては、モデルコースとして雄大な太平洋、また手すき和紙やよさこい祭りなどの文化体験を組み込んでおりますが、あわせて魅力ある観光資源を紹介していきたいと考えております。 次に、外国人旅行客誘致への支援策についてのお尋ねがございました。先ほどの御質問の中でも触れましたが、四国観光立県推進協議会では、韓国から四国への観光客の送客に対して、宿泊人数に応じて旅行会社に一定の金額を助成することにしております。また、本県におきましても、外国からの観光客誘致に当たっては、団体旅行を主催する海外の旅行会社に対して観光客の宿泊人数に応じて助成を行うこととしております。今後は特に、韓国、台湾などへは、観光や文化面での交流を深めながら、チャーター便の相互乗り入れなどを通じた誘致活動を推進してまいります。 次に、海外事務所を活用した観光振興についてお尋ねがございました。平成8年度に開設しましたシンガポール事務所では、県内企業の海外取引件数、金額ともに年々増加しておりますし、昨年開設しました上海事務所にも既に相当件数の商談案件が寄せられております。一方で、東南アジアや成長著しい中国などは、貿易の対象だけでなく国際観光を推進する上で魅力的なマーケットでもあります。既に、シンガポール事務所では、県内の旅行会社と協力して現地からの観光ゴルフツアー誘致に取り組んでおりますし、上海事務所におきましても、四国観光立県推進協議会が上海での国際観光展に出展する際の支援などを行っております。また、お話にもありましたように、海外の経済情勢や貿易に関する知識やノウハウを習得するため、来年度からそれぞれの事務所に県職員1名を派遣する予定としておりますので、今後は推進体制が充実する両事務所の機能をフルに発揮しながら、海外からの観光客の誘致にも積極的に取り組んでいきたいと考えております。 次に、観光ビジョンの策定についてお尋ねがございました。観光ビジョンでは、自然や文化、歴史などの観光資源に付加価値をつけ魅力あるものにすることや、訪れた観光客の満足度を高め、もてなしの心を醸成していくこと、そして全県的な交通体系などの受け入れ体制の整備や戦略的な誘致活動に加え、今後は地域で観光に着目したまちづくりに取り組み、県民一人一人が観光の担い手であるという意識を県民運動的に盛り上げることを基本に考えております。具体的な策定手法につきましては、県内を7ブロックに分けワークショップ方式で、農林水産業に従事されている方を初め女性や高齢者、さらには商工会や地域おこしに取り組んでいるNPOなど地域で活躍されているさまざまな団体から参加をいただいて、まちづくりの視点で地域が目指す観光の将来像を描いていくこととしております。スケジュールとしましては、ブロックでの会議は年内にそれぞれ数回開催し、年度内には公表できる形に取りまとめたいと考えております。 次に、新規高卒者の雇用対策のうち、就職の実績の低さや来年度に向けた対応についてお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えいたします。今年度実施いたしました新規高卒者を1年間県の非常勤職員として雇用する特別対策事業は、平成15年3月に卒業される就職希望者の極めて厳しい内定の状況を踏まえて緊急的に実施したものでございます。その目的としましては、一つは過去最低の就職率を少しでも緩和すること、あわせて就職に対する心構えや社会人としてあるべき基本的なマナーなどを身につけることです。 現在の状況につきましては、当初46名中19名が希望の職種を特定できない状況にありましたが、1年間を通した求人情報の提供や研修会、また個人面談指導などを実施してきた結果、これまでに14名の方が就職もしくは内定をいただいております。残りの非常勤職員の方々につきましても、それぞれが希望の職種を特定した上で継続して就職活動に取り組んでおりますし、また7名の方は専門学校などへの進学を目指すなど進路変更を行っております。 来年度につきましても、1月末時点の内定率は前年より改善されているものの、全体の求人数は依然として厳しい状況にあることから、本年度の取り組みを引き続き継続していくことといたしました。ただ、内容につきましては、ことしの取り組みの状況も十分踏まえながら、50人の選抜の方法や配置先、さらには就職に向けたフォローアップの方法などについて、効果が十分に出るように工夫を凝らしてまいりたいと考えております。 次に、建設業をどういう方向で議論し、いかなる支援をするかについてお尋ねがございました。建設業将来動向検討会は、建設業に従事する関係の方々と県が一緒になり今後の建設業界のあり方を検討することを目的に設置し、現在までに2回開催いたしました。その中で、公共事業の予算が今後減少していく中で、現在の業者数がそのまま今後も引き続き存在することには極めて厳しい見通しのあること、地域で中核となり得る事業者の育成や適正規模の事業者数にするためには事業者同士の合併などによる効率的な組織づくりが求められているのではないか、さらには将来的には異業種への進出による転換もしくは新たな経営の柱づくりが必要ではないかといった御意見をいただき、危機感を共有する下地ができつつあると考えております。 こうした状況を踏まえまして、今後、検討会では異業種への進出の事例を視察したり、地域の事業者の方々との率直な意見の交換会を行い実情を把握するとともに、異業種などへの進出のために利用できる制度の御紹介や、新たな支援制度の研究を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。   (副知事吉良史子君登壇) ◎副知事(吉良史子君) 佐竹議員より財団法人グリーンピア土佐横浪の債権放棄に関する交渉の決意及び解散スケジュールにつきましてお尋ねがありました。 財団は、債権の全額放棄について、他県グリーンピアの事例なども参考にしながら粘り強く交渉を継続いたしますが、みずから理解を得るための交渉も行ってまいります。 また、財団の解散は、債務について一定の結論が出てからとなります。現在、債権放棄を要請中ですので、今後の金融機関のお考えにもよりますが、法的な面も踏まえながら慎重に対応してまいります。 次に、経営責任及び残余財産の整理方針についてお尋ねがありました。国体開催を理由に施設運営を継続させたことにつきましては、高知国体及びよさこいピックを開催するに当たって、選手団がまとまって宿泊できる施設を確保するためグリーンピアの活用が必要であったので運営を継続することとしました。もしグリーンピアを利用できなければ、選手や役員の受け入れに支障があることが予想されましたし、それに係る費用もより多くかかったのではないかと思います。 次に、用地等の整理につきましては、グリーンピア事業で活用されなかった県有地はその後少しずつ売却を行ってきていますが、現在までのところ大部分は売却のめどが立っておりません。今後は、須崎市が策定中のグリーンピア土佐横浪基地の土地利活用計画なども踏まえまして、売却の可能性を検討してまいります。 お答えといたします。   (企画振興部長十河清君登壇) ◎企画振興部長(十河清君) 国際チャーター便など高知龍馬空港の利活用につきましてお尋ねがありました。 国際チャーター便につきましては、空港の2,500メートル化を記念いたしまして、県内各界を代表される方々で高知龍馬空港2500メートル拡張記念チャーターフライト実行委員会が組織され、300人規模の大型企画がなされ、この4月、アメリカ西海岸へジャンボ機が運航されることになりました。また、中国安徽省との友好提携10周年を記念してチャーターフライト実行委員会が組織され、8月には運航が計画されるなど、国際チャーター便を活用する機運が高まってきています。こうした中、先般、県内に事業所を有する旅行代理店15社の方々でチャーター便の企画などを連携して推進していく高知龍馬空港チャーター推進連絡協議会が組織をされました。今後、チャーター利用の一層の拡大に向け、当協議会と連携した取り組みを進めてまいります。 観光面でも、より大型の団体客への対応も可能となりますことから、今後とも関係部局や観光コンベンション協会などと連携し、航空会社や旅行代理店に働きかけてまいります。また、増強される輸送力は、産業面での取り組みの可能性を広げるものです。今後ともこうした視点に立ちまして、関係部局や関係団体などと連携し、空港の拡張を生かす取り組みを進めてまいります。 次に、高知-伊丹線の増便計画につきましてのお尋ねがありました。高知-伊丹線は、昨年11月に最新鋭の高速プロペラ機が導入され、それまでの5便から8便に、そしてことし1月には11便に増便され、さらに4月には14便と便数が大幅に増加されることになり、昨年に比べますと3倍近くの便数で運航されることになります。このことによりまして、ジェット機就航当時の座席総数が確保されました上、朝の7時台から夜の7時台まで、短くて40分、長くても1時間の間隔で利用できることになり、利便性が大きく向上することになります。 以上でございます。   (森林局長村手聡君登壇) ◎森林局長(村手聡君) 県産材利活用の推進についての御質問にお答えいたします。 まず、木材利用の推進体制に関するお尋ねがございました。木の文化地域推進連絡会では、木材の利用拡大、県民の方々に木の文化県構想の普及、定着を図っていくことを目的といたしまして、各地域の地域推進員と林業事務所が連携のもと、地域情報の収集とPR活動に努めております。その活動内容は、地域での建築物の計画を事前に把握し木造・木質化のアドバイスをしたり、木材を利用した製品開発の情報収集や、公共土木事業への積極的な木材利用の働きかけをしております。特に最近では、大断面集成材を活用した東津野村の中学校体育館の建設や、梼原町の森林認証材を利用した新庁舎などの建築への取り組み、木製治山ダムの建設や森林土木工事における県産材を使用した木製型枠へのスムーズな移行などの成果を上げてきています。 しかし、木の文化県構想の浸透がまだ十分でない点もありますので、県としては地域推進連絡会をより活用するための検討を行い、関係業界はもとより市町村、民間事業体等とより一層の連携をとり、各地域で県民の皆様へ木材利用のPRに取り組むとともに、民間住宅を含む建築物の県産材による木造・木質化の推進、公共土木事業への木材利用の拡大を重点的に働きかけ、木材の地産地消に努めていきたいと考えております。 次に、搬出間伐への取り組みやその支援のあり方と活用、用途など流通対策についてお尋ねがございました。高知県の人工林は8、9齢級の割合が高く、主伐期を迎えようとしておりますけれども、現在の低迷している材価の状況から主伐を控える森林所有者が多くなっております。そうした森林の中には手入れが行き届かなくなっている森林も見受けられるようになっており、公益的な機能の保全や資源の有効利用の観点から、適切な間伐を推進することが高知県の重要な課題となっております。そのため、保育期を過ぎたとして国庫補助事業の対象とならない8、9齢級の森林に対しても、平成10年度から県の単独事業により、搬出間伐やそのために必要な作業道への補助を行ってきております。 平成16年度は、厳しい予算状況の中、これらの搬出間伐や作業道の補助を拡充するとともに、特に資源循環林の中で一定のまとまりを共同で整備を行う団地に重点的に路網の補助を行って、低コストで効率的な間伐材の搬出ができる体制を整えることとしております。こうして搬出された木材は、主伐材と同様、直径や長さなどによって選別されましてそれぞれの用途へと流通していくことになりますので、その川下対策を強化していくことが、ひいてはこれらの森林の適正な整備へとつながるものと考えております。そのため、平成16年度は、製材品の共同配送や共同販売を行う仕組みづくりや、産地と県外の大消費地とを結んだ販売活動を積極的に支援しますほか、木造住宅の建築や木材の公共的な事業への利用を一層進めていくこととしております。また、園芸農業用のハウス燃料として使います木質バイオマスの研究など、新規の需要の開拓にも積極的に取り組んでいくこととしております。 以上です。   (土木部長見波潔君登壇) ◎土木部長(見波潔君) 県産材利活用の推進に関する御質問のうち、高知駅の新しい駅舎についてのお尋ねにお答えをします。 新しい高知駅のデザインは、県民や利用者の方々へのアンケートで県産材を使った高知のシンボルとなる駅が望ましいなどの御意見をいただきましたことを踏まえて、高知駅舎景観検討委員会で検討してきました。その結果、駅舎のデザインは、主要な部材の大部分に木材を使った大きなアーチ型の屋根構造とする提案をいただいています。御質問にありましたように、森林県の特色を出し県のブランドの発信や県内の林業の振興につなげるという意味からも、この駅舎の主要部材には良質の県産材を使用したいと考えています。 大きな屋根構造のはりに県産材の集成材を使用するため、現在森林技術センターなどと連携して強度実験などの準備を進めています。今後、実施設計の段階に入っていきますが、県産材を使用した県都の陸の玄関口にふさわしい施設となるよう努めてまいります。 以上でございます。   (教育長大崎博澄君登壇) ◎教育長(大崎博澄君) 地産地消の推進についての御質問のうち、まず食に関する教育についてのお尋ねにお答えします。 食生活や食習慣が子供たちの健やかな成長に大きな影響を及ぼしていることが明らかになっている中、食に関する教育はますます重要な課題になっています。県教育委員会は、平成15、16年度の「元気の素は食事から」実践事業をモデル地域で実施しています。これらの地域では、現在、児童生徒の望ましい食事と生活習慣の定着に向けまして学校、家庭、地域が連携したさまざまな取り組みが進められています。また、吾北村の、みそ汁で1日のスタートをといった活動や、南国市の南国食育フォーラムなどは、地域ぐるみの取り組みとして確かな成果を生み出しています。小中学校でも、総合的な学習の時間のテーマに食を取り上げたり、家庭や地域と連携しながら食教育に積極的に取り組むところがふえてきております。今後とも、学校教育における食教育の位置づけを一層明確にし、家庭や地域と連携した食教育の推進に努めてまいります。 次に、地域食材の活用の仕組みづくりや食農教育、食育への取り組みについてのお尋ねがございました。学校教育に地域食材を安定的に供給しますためには、地元業者の理解とあわせて行政、学校、PTA、生産者、農業団体などが連携した仕組みづくりが重要です。また、このことが地産地消の円滑な推進につながっていくものと考えます。しかし、取り組みにつきましては、まだまだ十分とは言えません。まずは市町村における関係者の組織づくり、組織化に取り組んでいかなければならないと考えています。学校給食の実施やその具体の方法につきましては、それぞれの市町村が判断することではありますが、県教育委員会としましても、その意義についてさらに啓発に努めますとともに、実施に向けての市町村への支援を積極的に行ってまいります。 食農教育につきましては、私も格別の思いがございます。子供たちに食に関心を持ってもらうこと、その食糧を生産する農業に関心を持ち体験的に学んでもらうこと、そこからさらに食糧問題や環境問題などの社会問題に学びの対象を広げていくことは、子供たちの生きる力に直接つながる学習となります。今後も、JA、農業高校、生産農家など幅広い方々の御協力をいただきながら、高知らしい特色のある食農教育、食教育に取り組んでまいります。 次に、新規高卒者等の雇用対策に関する御質問のうち、まず県外求人開拓による就職支援についてのお尋ねにお答えをします。県外求人開拓の取り組みにつきましては、従前から各学校では進路担当教員や3年生のホーム主任らが手分けをしまして、卒業生の定着指導や新規求人開拓を目的としました県内外の事業所への訪問を実施しています。また、県教育委員会では、東京、名古屋、大阪の高知県事務所を起点に、県内の高校生の採用確保に向けた活動を行っています。昨年度は資料の配布依頼にとどまりましたが、本年度は就職担当の指導主事が、新たに配置をしました就職アドバイザーとともに各事務所を訪問し情報収集を行う一方、個別に企業訪問も行いました。こうした訪問を機に、実際に来年度の求人に結びついた事例もございます。 しかしながら、本県では就職を希望する高校生のうち、県内就職希望者が年々増加する傾向にありましたことから、県外求人の開拓が必ずしも十分でなかったことを反省いたしております。今後は、県教委としてリーダーシップをとって、県外企業への就職開拓にもさらに積極的に取り組んでまいります。また、保護者、生徒の職業意識の醸成にも取り組んでいきたいと考えております。 次に、卒業後の未就職者への支援の実態と対応方針についてのお尋ねがございました。新規高卒未就職者のしごと体験雇用支援事業につきましては、企業と求職者とがお互いの希望をマッチさせる機会として、今年度から商工労働部で事業化していただいたものでございます。議員の御指摘のように、未就職者にとりましては、仕事の内容や給与などの面で希望に合わない点、各学校での働きかけが十分でなかった点などもあり、必ずしも有効な利活用がなされていないものと分析をしております。また、こうした実態の背景には、高校生が自分自身の将来設計に基づいてしっかりとした職業観、勤労観を身につけていないことも起因しているものと受けとめています。 未就職のまま高等学校を卒業した生徒への支援対策としまして、各学校におきましては、職業安定所に求職カードを提出し就職活動を促しますとともに、4月以降も一定の期間、就職の窓口となって、引き続き相談や職業紹介を行っております。また、県教育委員会としましては、県経営者協会に求人の依頼を改めて行いますとともに、労働局や各職業安定所と連携して求人情報を提供するなど、早期の就職に向けて取り組んでいます。今後は、引き続きこうした取り組みを進めますとともに、就職アドバイザーのより一層の有効活用や、来年度新たに設置されます就職支援相談センターとの連携など、未就職者への支援に努めていきたいと考えております。 以上でございます。   (健康福祉部長吉岡芳子君登壇) ◎健康福祉部長(吉岡芳子君) 地産地消の推進についてのうち、高知医療センターにおける地産地消の取り組みについてのお尋ねがございました。 高知医療センターの給食業務は、PFI事業契約に基づき高知医療ピーエフアイ株式会社が担当をいたします。同社は、PFI事業契約に際しまして地域経済への貢献に向けて積極的に取り組むという基本姿勢を表明しておりまして、食材については地元産品を積極的に活用し調達率を低下させない方向が、病院組合と同社との間で確認をされています。地元の新鮮な食材を活用しますことは、地域経済への貢献に寄与するだけでなく、食事の質という患者さんサービスの向上につながるものと考えます。より多くの食材など地元産品が活用されますよう、高知医療ピーエフアイ株式会社との間で協議する場を設ける中で、本県の地産地消の取り組みに一定の役割を担っていただくために県としても積極的に取り組んでいかなければならないと考えています。 以上でございます。   (政策推進担当理事山本俊二郎君登壇) ◎政策推進担当理事(山本俊二郎君) お答えをいたします。 一連の雇用対策の中で、私には雇用の絶対量の確保などについての御質問をいただきました。お話にもありました、公共事業の縮小に伴います雇用の受け皿づくりなど雇用の問題につきましては、全庁的に取り組むべき重要な政策課題の一つとして位置づけをしまして、昨年夏の政策協議や予算編成を通して議論をしてまいりました。その中で、安定的な雇用の総量を確保していきますには、高知県の特色や強みを生かして伸びる可能性の高い分野をさらに伸ばしていくこと、同時に、しっかりとした展望と意欲を持ち、それぞれの分野の牽引役としての役割を担っていただける経営体や事業者の方々に的を絞った支援をしていくことが大事であること。それらが相まって本県の産業の底上げが図られ、ひいては雇用の場が広がるということを基本的な方針としまして共通認識いたしました。こうした考えをベースにいたしまして、16年度の予算案には、雇用吸収力が高く即効性も見込めます観光分野への支援を引き続き重点的に行いますことや、本県の貴重な資源として多様な分野に活用をされています海洋深層水のブランド力の強化対策、県内企業の持ちますすぐれた技術を早期に製品開発に結びつけていくための技術支援などの取り組みが盛り込まれています。 また、雇用の受け皿という観点では、本県の場合、1次産業の分野が大きなターゲットになると考えます。政策協議の中でも、今後とも1次産業の生産を維持し振興していくためには、今後10年程度を見通しましたとき、例えば林業では約600人、漁業では700人程度の新規参入者を確保することが必要であるという数字が示されています。こうしたことから、この1次産業の分野へのシフトも含めまして、産業間で円滑な労働力の移動を図ることが一つの課題となりますが、関連します16年度の取り組みといたしましては、1次産業につこうとします方に対します研修体制の充実や資金面での援助の拡大、さらには新設をしますジョブカフェなどでの1次産業を含めました情報提供や相談体制の充実などがございます。全庁的な政策の調整と推進という立場から、今後とも各部局が雇用の確保と拡大が大きな課題であるということを共有しまして、部局の枠を超えて、必要な対策を協議しながら具体の取り組みを進めていきますよう努力してまいりたいと考えています。 以上でございます。 ◆22番(佐竹紀夫君) 企画振興部長に再度お尋ねしますが、どうもあなたの答弁を聞いていると昨年の6月と同じようなレベルの答弁であって、私のお伺いしているのは、この9カ月、あなたがおっしゃった観光コンベンション協会、あるいは県の商工会議所とか地元南国市とか、そういった関係団体とどういう協議をして議論をして、その戦略について方針を確立してきたか、どういう手法を駆使して努力をしていくかということ、そして新年度からはどう動くか、そういうことをお尋ねしたわけであります。 なぜそういうことを申しますかというと、もともと県が重要要望事項として国に当空港の拡張を要請してきた時点では、運用開始時には270万人の利用客を見込んでいたのですから、今は170万人レベルまで落ち込んできた現状に甘んじていてはいけない。72人の地権者の苦渋の選択のもと304億円という巨費の投資が本県経済活性化に生かされないと思うから、あえてお尋ねをしたわけであります。別に、高松や松山、両空港のように、一気に国際線をと言っているわけではありません。国内路線の拡張も一つの課題ですが、そういってもなかなか、札幌線も、せっかく敷いた鹿児島線も廃止になっております難しい課題でありますから、国際チャーター便を、両空港関係者の取り組みにも学びながら、まずは今の21便を倍増して定期航路への道筋をつけていく、そういう努力が必要じゃないですかと。ですから、そのためにどこをターゲットに、どういう手法を駆使して努力をしていくのかという9カ月の議論の成果についてお尋ねをしたわけであります。 今、ロサンゼルスと、そして安徽省の10周年記念と2例を挙げましたけれども、この2例だけじゃいかんわけでありまして、どう今の21の国際チャーター便を倍増していくか、そして目指すべき定期航路への道筋をつけて国際観光の誘致を拡充していくか、そういった議論の成果についてお尋ねしたわけですから、もう一度その辺の具体的な御説明を仰ぎたいと思います。 それから、商工労働部長にですが、昨年1月の県内の有効求人倍率がここにあります。見てみますと0.48倍で、昨年同期とほとんど変化はなく、御承知のように雇用情勢っていうのは非常に厳しいわけです。新規求人も昨年1月と比べてこの1年間で農林漁業とか建設業、卸・小売業では減少しております。ですから、公共事業の減少に伴う雇用への影響対策は、求人倍率の低い郡部を中心によほど腰を据えた全庁的な対応が必要だと存じますから、あえてお尋ねをしたわけであります。 新規求人増を期待する分野の業界、団体、今し方異業種への転換と言われたわけですが、異業種への転換とは例えばどういう異業種、どういう分野なのか。一昨日の知事の答弁では農業とか福祉関係分野を挙げたわけですが、この分野で一体いかほど期待ができると考えているのか。今、政策推進担当理事から、林業関係では六、七百人という一つの目標値が明確にされておりますが、一般論として異業種とか、農業は今この1年間でも新規雇用が減りゆうわけです。農林水産業もです。だからそこら辺、福祉関係分野といったらケアマネジャーとかヘルパーの資格が要件になりゃあせんかとか、さまざま思うわけですけんど、どういう福祉分野へ、どの程度の目標値を置いて、団体とか、あるいは相手先と協議をしていこうとしゆうのか。その辺、もうちょっと県民にわかりやすい答弁を求めておきたいと思います。 それから、食糧自給率についてはともかくとして、地産地消の確立の取り組みに言及したのは、知事が4年余り前の11年に3選に臨むに当たって県民に公約した中で、地域で生産した農産物のうち大消費地に輸送できないものや高齢者のつくる少量のものを地域で消費することを基本に、学校給食への活用など農産物が地域で流通する仕組みづくりを進めますと言明してきたことは御承知のとおりだと思います。以来、3年余を経て昨年の4月に地産地消課が設置をされたわけでありますが、米とか野菜とか魚介類の学校給食への活用は、教育長も一生懸命努力をされておりますし、市町村を指導、助言せないかん問題ではありますが、この4年間にどの程度増加してきたのか。再度、教育長にお答えを求めておきたいと思います。 また、地域で流通する仕組みづくりというのは、さまざま私も散見はいたしておりますが、どのように進展をしているのか。県庁のおひざ元の県立病院とか福祉施設あるいは県立大学などでは、米で70%の消費、あとの30%は県外米。野菜、魚は40%というふうに、私はお聞きした結果、把握しておりますが、さらなる努力が必要ではないかと思っております。高知県地産地消推進ネットワークが設立をされて一生懸命、民間ともども頑張っておると思いますが、この活動状況とあわせて、この点は農林水産部長の所見を伺っておきたいと思います。 それから、46人中、私がお尋ねした時点では9名だったから批判をしておったわけでありますが、暫時御尽力をされたのか14名というふうに今、御答弁がありました。それでも3分の1弱であります。公立学校長の推薦者とはいえ、県の非常勤職員の就職、こうした就職動向あるいはしごと体験雇用支援事業の未就職学卒者の活用状況、これからしてやっぱり目的意識とか進路の指導が不十分な結果ではないかと思えてならないわけであります。また、何人かの企業管理者の話を総合すると、一般的にいって、社会への適応性、つまり知識とか技能とか、商工労働部長はマナーというふうに言われましたが道徳、そういったものを比較的よく身につけているのは私立学校の卒業生であって、学力しかりだと。土佐の教育改革も、やっぱりどのような分野であっても通用する適応力のある、現実の社会に出て通用する人材の育成をもっと重視していかないとといった注文も聞かれたわけであります。 教育長は、しばしば最重要課題のこの学力向上対策について量から質への転換を強調されているわけでありまして、私もそのように承知しておりますが、公立が私立と比べて一般論としてこうした評価を受けているというのは、やはり、量から質へと言うけんど、量も質も学校の果たすべき役割を十分に果たし切れていないんではないかとさえ思われるわけであります。ですから、進路指導も含めまして一層の御尽力を強く要請して、この点はお答えはいいですから、期待を申し上げておきたいと思います。 2問、以上です。 ◎企画振興部長(十河清君) 再質問にお答えをいたします。 昨年の私の答弁に対して、その後どういうふうに取り組んできたのかという具体的なお尋ねでございます。昨年の答弁といいますのは、高知空港が2,000メーターが2,500メーターになる、そしたらその空港の基盤というのをどう生かしていくかという私に対するお尋ねがございまして、それに対しましては、航空機の離着陸時の安全性が高まると、もう一つには航続距離の長い飛行機が就航できる、3つ目には大型機の就航が可能になることによって国際チャーター便などの活用が高まる、そういうふうにお答えをしたわけであります。 まず、国際チャーター便の活用が高まる、この点につきましては、やはり、高知空港が2,000メーターが2,500メーターになった、それを県民の皆さんが一番実感できるのはジャンボ機で海外に直接飛べるということを実感してもらう、体感してもらう、そのことが一番2,500メーターになったことの実感になるし体感にもなる。そのため、各界の方に御相談をして2,500メーター記念の実行委員会というものを立ち上げてもらって、チャーターフライトが実現することになったわけであります。 さらに、先ほども申し上げましたように、県内に事業所を有する15社のエージェントの皆さんが、この高知龍馬空港の拡張を何とか活用していこうではないかという趣旨のもとに、チャーターの推進協議会というものを組織されました。そこは、専門的な旅行代理店、エージェントの皆さんでありますので、いろんな旅行企画をみんなで共同して、どんなふうにどうすればいいのかと、当然観光コンベンション協会とも共同しながらいろんな企画を出していただけるものというふうに思っています。私、企画振興部長の立場としては、航空会社に対してチャーターフライトのお願いをしていく、非常に乗客の多い時期にはジャンボ機を就航してもらう、あるいは、この活用策としていろんな旅行会社に対して航空需要の拡大を働きかけていくといったようなことを基本に取り組んできたわけであります。 そのほか、産業振興によって貨物が大きく運べるようになるというようなことにつきましては、農業、工業それぞれの分野がどういった製品を運ぶようにできるかというのは一朝一夕にできるものではありませんので、これから地道な積み重ねによってやっていただくことになろうかというふうに思います。 以上でございます。 ◎商工労働部長(起塚昌明君) 再質問にお答えします。 建設業の異業種参入ということについての御質問だったと思います。農業だけでは受け入れるキャパがないのではないかということでございました。建設業将来動向検討会も、実は昨年度まだ2回しか会議を行っておりません。土木部と商工労働部と政策担当部局と三者でやっておりまして、現在のところまだ、そういう建設業界の皆様にどういうニーズがあるのか、どういう要望があって、どういうことに対して関心があるのか、あるいは将来どういうふうなことを想定しておるのか、そういうニーズを把握しておるという段階でございまして、その過程の中で現在建設業の方々が農業に一部進出された事例もございまして話題になったということがございます。ただ、まだこれからの話し合いの過程の中で、やはり福祉部門だとか、その他いろんな分野につきましても、またお話も出てくると思います。そういう時点で、それぞれの担当の部局とも話し合いながら、一つ一つ問題を煮詰めていきたいと思っております。 ただ、私たちも、特に建設業は、先ほど求人倍率のお話がございましたが、昨年の12月が0.49で、ことしの1月が0.48ですか、昨年の初めが0.42だったと思います。少しはよくなっておりますけれども、製造業の一分野の好況に支えられている分野でございまして、建設業は大変厳しい数値も出ております。そういうことも踏まえまして大変危機感は持っておりますので、これから鋭意取り組んでまいりたいと思っております。 以上でございます。 ◎教育長(大崎博澄君) 地産地消の進みぐあいについて、学校給食の面で御質問がございました。 正確なデータを持ち合わしておりませんが、南国市あたりの学校に参りますと、お昼どきには炊飯器からおいしい御飯のにおいが流れております。100%に近い米飯給食がなされている。この米飯給食がなされているということが、地産地消が進んでいるかどうかの一つの大きな尺度になろうかと思います。一方、県下全体で見ますと、正確なデータではございませんが週4回未満であったというふうに記憶をいたしております。 それから、またもう一つの問題点として、南国市は別といたしまして、総じて都市部で空洞化現象が起こっている。つまり、米飯給食が都市部で少なくなっている現象があるということも聞いております。したがって、そういったところへのてこ入れもこれから非常に大きな課題だというふうに理解をいたしております。 ◎農林水産部長(星沢昭雄君) 佐竹議員の再質問にお答えいたします。 お尋ねの点は、地産地消推進ネットワークの活動はどうか、あわせて県組織における対応はどうかの2点であったと思います。昨年の7月に地産地消推進ネットワークを立ち上げました。この中で、4つの分野に分けて立ち上げております。一つはホテル、旅館等の観光の面。医療・福祉の面、それから量販店の分野、また食農、食育の学校教育の分野の4つに分けまして、今後3年間で進めていくための道しるべというか道筋を議論していただきました。その結果、3年間の中でこの4つの分野での成功事例、モデルになる事例をできるだけ早くできるだけ多く生み出すということが目標ということで御議論をいただきまして、県としてもそういう方向でやっていくということを決定さしていただきました。その後、ネットワークでは、じゃあ成功事例、モデルになるのはどういうのかと。その間に県内の実態を把握いたしまして、資料も提供しながら、実際の成功事例を生み出すための支援策について議論を重ねております。 それから、県組織における対応でございますが、県みずからが率先して取り組んでいくことはもちろんでございますので、県立の病院、さらには学校、福祉施設におきましてモデルとなる成功事例づくりに取り組んでおります。また、県庁舎での取り組みとしましては、高知県庁の消費生活協同組合に、地産地消に賛同して率先して取り組んでいただくための制度でございます、おいしい風土こうちサポーターに登録をしていただきましたので、今後はどのような工夫ができるのか協議を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆22番(佐竹紀夫君) それぞれ御答弁をいただきましたが、まだどうも消化不良、私にとっては消化不良のところもありますけれども。企画振興部長、答弁はいいですけんど、ハードを生かすソフト戦略の重要性をしきって知事も皆さんも強調されてきたわけです。ですからやっぱり、今申し上げたような大型滑走路ができたら、それをどう生かしていくのか、どう県勢の浮揚へつなげていくのかということは、もう2年も3年も前からわかっちゅうわけですから、航空会社にお願いして云々というそれも一つの手法ではありましょうが、やっぱり県の関係部局で業界と一緒になって地道に新たな需要を掘り起こしていくといった努力と支援、そういうものが必要ではないかという視点からお尋ねをしたわけです。 部長も、6月には、関係部局や経済団体などと連携し、拡充される空港を生かすさまざまな取り組みを進めていきますと、非常にスマートな明言をされているわけでありまして、それを踏まえてのやっぱり努力も必要で、ただ航空会社へ頼むぜよと言うことだけではいかんと思いますから、今後そうした視点からの取り組みにも御尽力を賜りたい、そのように申し上げておきたいと思います。 雇用対策の問題は、これはなかなか大変ですが、現実的に19年までに40%といいますから、大変な雇用減が現実に高知県の社会の中へ生まれてくるわけですので、そりゃあいつまでものんきに議論をしよっちゃいかんわけですから。 ひとつ、一生懸命、雇用対策本部を中心に、知事を中心に心血を注いで努力をされんと県民は大変だというふうに思いますから、さらなる御尽力を心からよろしくお願い申し上げまして、私の一切の質問を終わります。御答弁ありがとうございました。(拍手) ○議長(溝渕健夫君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 明5日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午後4時18分散会...